恋愛、友情...妻夫木聡柴咲コウ共演「オレンジデイズ」の色褪せない輝き

10月スタートのドラマ「危険なビーナス」(TBS系)で主演を務める妻夫木聡と、「35歳の少女」(日本テレビ系)に主演する柴咲コウが主演し、"あんな大学生活を送りたい"あんな恋愛してみたい"と当時の男子、女子をドキドキさせたドラマ「オレンジデイズ」(2004年)がTBSチャンネル2にて放送される。

最近、柴咲コウがドラマの主題歌になったMr.Childrenの「Sign」を無観客配信ライブでカバーしたことでも話題となったが、数々の恋愛ドラマをヒットさせた北川悦吏子が脚本を手がけた本作は、キャストも豪華な顔ぶれ。大学の "オレンジの会"の仲間たちを演じている主要メンバーは妻夫木聡(櫂)、柴咲コウ(沙絵)、成宮寛貴(翔平)、白石美帆(茜)、瑛太(啓太)の5人。妻夫木の彼女役を小西真奈美、成宮の妹役を上野樹里、その他にも山田優や小日向文世、ドラマの後半では沢村一樹や田中圭(1話のみ)も登場する。

「オレンジデイズ」に出演した妻夫木聡、柴咲コウ、成宮寛貴、白石美帆、瑛太

甘酸っぱいシーンや仲間だからこそ本音でぶつかりあうシーン、ガラケーのショートメールで気持ちを伝え合うシーンなど、青春感マックスながら今見ると考えさせられたりもする「オレンジデイズ」の魅力とは?

■妻夫木と柴咲の遊園地や海でのデートは胸キュンもの

妻夫木演じる櫂は就活真っ最中で学生と社会人の狭間で揺れる誠実で優しい男子。柴咲演じる沙絵は天才バイオリニストと期待されながら、4年前に突然、聴覚をほとんど失ってしまった同級生。キャンパスで1人バイオリンを弾く沙絵に出会い、耳が聞こえないことを知って、その気持ちが恋とは知らず何とか彼女の力になりたいと思うところからストーリーは展開していく。

当時、視聴者をキュンとさせたのは啓太(瑛太)の代わりに櫂が待ち合わせ場所の遊園地に行き、沙絵とデートすることになるシーン。この遊園地が最近、閉園になった"としまえん"なのも郷愁をそそるが、途中で雨が降ってくる中、はぐれてしまい、傘もなく園内放送が聞こえない沙絵を櫂が必死で探す場面は遊園地の幻想的なムードもあいまってドラマティック。

下品な手話を連発し、キレると蹴りまで入れる沙絵のギャップとストレートさに徐々に惹かれていく過程も丁寧に描かれている。なかなか進展しない2人の関係を案じて沙絵の親友、茜(白石美帆)が翔平(成宮寛貴)に頼んで作戦を立て、2人だけで海に行かせる展開も青春そのもの。車の中に流れているのはORANGE RANGEの「上海ハニー」。ビーチで落ち込んでしまう彼女の後ろ姿に向かって不器用な櫂が人目もはばからず自分の気持ちを絶叫するシーンも視聴者をキュンとさせた。

■相手を思うからこその本音のぶつかりあいがまぶしい

「オレンジデイズ」では恋愛と同時に友情が描かれている。建前と本音を使い分ける社会人になる前の学生同士ならではの関係性。耳が聞こえなくなってしまったことに"どうして私だけが"と荒れてピアニストの母親(風吹ジュン)や櫂に当たり散らす沙絵に櫂は「生きるのが苦しいのは君だけじゃない」とまっすぐな言葉を投げかけ、茜は斜に構えて就職や恋愛から逃げている翔平に「いい人の自分を見るのが怖いんじゃない?人恋しい自分を認めるのが怖いんじゃない?」と言い放つ。

オレンジの会のメンバーが手話を覚えてくれたことを同情だと捉えてしまう沙絵と茜もけんかになってしまうが、お互いが自分のことを本気で思ってくれていると受け止めているからこそ、5人の友情は本物になっていく。空気を読むことが美徳とされている時代の中、恋愛や友情に向き合った切なくもピュアな青春ストーリーは今見ても輝いている。

文=山本弘子

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放送情報

オレンジデイズ
放送日時:2020年10月21日(水)18:00~ほか
チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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