韓流ドラマとの共通項も!堀ちえみ主演の"大映ドラマ"に見る中毒性ある世界観

「スチュワーデス物語」
「スチュワーデス物語」

「愛の不時着」に代表される韓流ドラマの人気が再燃している今、昭和の"大映ドラマ"を見てほしい...そう思ってしまうのは、筆者だけではないだろう。愛憎渦巻く人間模様や感情が揺さぶられるセリフ回しなど、韓流ドラマと大映ドラマの類似性は、これまでもよく取り沙汰されてきた。そもそも、第一次韓流ブームを巻き起こした「冬のソナタ」(2002年)が日本で大ヒットした当時も、「かつての大映ドラマを思わせる」という声がよく聞かれたものだ。

"赤いシリーズ"など数々の大映ドラマに花を添えた山口百恵(「人はそれをスキャンダルという」TBSチャンネル2にて11月1日より放送)

"大映ドラマ"とは、もとは大手映画会社5社の一角であった大映の一部門として誕生し、1970年代より数々の名作を手掛けてきた"大映テレビ"が制作した一連のドラマシリーズを指す。

古くは、テレビドラマ製作の先駆けとなった大ヒットシリーズ「ザ・ガードマン」(1965~1971年/宇津井健主演)、「おくさまは18歳」(1970~1971年/岡崎友紀主演)などがあるが、大映ドラマとしての一大ジャンルを確立させた作品と言えば、山口百恵主演で大ヒットした"赤いシリーズ"と言えるだろう。計10作が製作された同シリーズのうち、第1弾「赤い迷路」(1974年)を含む7作もの主演を務めた山口百恵にとっては、代名詞ともいえる存在だ。彼女をトップスターへと押し上げ、その人気を不動のものにしたという意味でも"赤いシリーズ"の功績は計り知れない。

「不良少女とよばれて」(TBSチャンネル2にて11月29日(日)より放送)

だが、大映ドラマの真価が発揮されていったのは、1980年代に入ってから。堀ちえみ出演の「スチュワーデス物語」(1983~1984年)、伊藤麻衣子(現・いとうまい子)主演の「不良少女とよばれて」(1984年)あたりから、ヒロインによる荒唐無稽な作風が定着。主人公に続々と不幸が訪れ、ありえないほど衝撃的な展開と大げさなナレーションが入る...。そんな独自のドロドロした世界観を確立して視聴者を釘づけにしていった。

「スチュワーデス物語」

特に、大映ドラマの人気を確立し、以降の作品にも大きな影響をもたらしたという意味では、やはり「スチュワーデス物語」を筆頭に挙げたい。同作では、ダンディな教官役を風間杜夫が演じ、落ちこぼれの訓練生・松本千秋役として起用されたのが、当時デビュー2年目の堀ちえみだった。

訓練生と教官を中心にしたラブストーリーであり、少女が目標を成し遂げていくサクセスストーリーであり、航空会社の内幕を見せるドキュメンタリーでもあり...。そんな3大要素が絡み合った物語だけでも面白いのに、大映ドラマ独特の極端な演出が加わり、真面目なシーンでもつい笑ってしまうような場面が続出。当時は、毎回気づけばもうテレビの前から離れられなくなっていたものだ。

「スチュワーデス物語」

教官が罵倒する「お前はドジでノロマな亀だ!」というセリフに対し、目をウルウルさせた堀ちえみが「教官!」と受け止める。当時、ドラマを視聴していた世代にとっては、忘れられない名シーンだ。また、風間杜夫の教官役も魅力的だったが、片平なぎさ扮する元婚約者のインパクトたるや...。美しい彼女が口で手袋をはぎ取り、真っ白な義手姿を見せつけながら教官に迫る怪演ぶりも大いに話題を呼んだ。

堀ちえみは、同作以降も「いじめや冷酷な仕打ちに耐え、ついに幸運を手にする」という、当時の大映ドラマの王道を確立。その後も数々の作品に主演し、大映ドラマの「顔」となっていった。

「スチュワーデス物語」
「スチュワーデス物語」

さらに、2019年のラグビーW杯ブームで脚光を浴びた「スクール・ウォーズ」(1984年~1985年)も、大映ドラマの看板シリーズの一つ。"スポ根ドラマの最高傑作"と称される同作からは、山下真司扮する熱血教師・滝沢ほか数々の名物キャラが誕生したが、大映ドラマファンとしては、キャプテン役の松村雄基を推したい。大映ドラマの常連俳優である彼は、「乳姉妹」(1985年)、「ポニーテールはふり向かない」(1985~1986年)といった、大映ドラマの金字塔ともいえる作品群に立て続けに出演、抜群の存在感を見せてくれた。

大映ドラマには、彼らのような常連俳優が必ずと言っていいほど顔を出すことも特徴で、「この顔を見れば安心」というか、出ているだけで大映ドラマの世界観に連れてってくれるような俳優が何人もいた。主演格では国広富之、鶴見慎吾、いとうまい子、伊藤かずえ...といった俳優たちが味わい深い演技で楽しませてくれたものだ。

「ポニーテールはふり向かない」(TBSチャンネル2にて11月2日(月)より放送)

つい最近、大映テレビが製作に参加し、衝撃的な展開が話題を呼んだ「テセウスの船」(2020年)でも、「大映ドラマの匂いがする」などとネットで話題になったばかり。今も昔もドラマファンを強烈に惹きつける大映ドラマだが、「大映テレビ劇場」と冠した特集を組むTBSチャンネル2では、「スチュワーデス物語」が11月12日(木)より一挙放送される。

韓流ドラマにハマったばかりの人は、ぜひ昭和の大映ドラマの世界観に触れてみてはいかがだろうか。初めて見る人にはきっと衝撃であるはずだ。

文=渡辺敏樹(エディターズ・キャンプ)

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放送情報

スチュワーデス物語
放送日時:2020年11月12日(木)4:00~(2話連続放送)
※11月21日(土)~11月24日(火)・26日(木)・27日(金)は休止
チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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