松たか子、神木隆之介、後藤剛範、大倉孝二ら豪華俳優陣が出演し、演劇の本質に迫る企画「いきなり本読み!」。この模様が、WOWOWライブにて3月6日(土)18:00より独占放送される。
作家・演出家・俳優の岩井秀人のプロデュースとなる本企画の第5回は、2020年12月25日に東京国際フォーラムで開催された。そのタイトルの通り、「集まった俳優たちが、それまで読んだこともない台本の読み合わせを客前でする」というもの。普段はなかなか見ることができない、俳優たちの貴重な本読み姿が見られるステージが話題を呼び、2020年2月に始まった企画ながらも、8月には下北沢の本多劇場にて2Days開催、9月には豊岡演劇祭2020にて初の地方開催も実現。そしてクリスマスの日に東京国際フォーラムで開催されることとなった。
ステージに登壇した岩井は、「2020年の2月に始まった『いきなり本読み!』ですが、3年以内に下北沢の本多劇場でできればいいかなと思っていたら、同じ年のうちに、有楽町の"大きめの本多劇場"でやることになりまして。本当に感謝しております。今日はスペシャル版ということで、皆さんお待ちかねの演者さんたちを呼び込みたいと思います」と挨拶。その言葉に促されてステージに登壇した、松たか子、神木隆之介、後藤剛範、大倉孝二ら豪華俳優陣を「世にも珍しい、これから何をするのか分からずに舞台上に上がってきた俳優さんたちです」と紹介し、会場を大いに沸かせた。
この日の意気込みを尋ねられた後藤は「目の前が真っ白です」とコメント。続く大倉は「本当に楽しくないですね。なんでこんなことをしなきゃいけないのか」とボヤいてみせて会場は大笑い。さらに松が「今年の仕事納めです。ありがとうございます」と続けると、最後に神木が「国際フォーラムってこんなに大きいのに、私服で来てしまいました」とそれぞれにコメント。
そんな中、登壇者にとっては初見となる台本を手渡した岩井が「僕が舞台上に立たせていただく中で、本番も面白いんですけど、稽古場でもいろんなことが生まれます。全然予定調和じゃない瞬間が面白い。俳優と台本が出会った瞬間というのが面白いと思って、そういうことをいつも稽古場で体験しているので、それをお客さんも共有してもらえたら、という思いでやっています」と、この日の趣旨を説明。登壇者たちはタイトルも内容も知らされないまま、本読みがスタートした。
まず岩井が発表したそれぞれの配役は、神木がニュースキャスター、松がオオモリ、大倉がナルミ、後藤がシンジ。そしてト書きは、岩井が読み上げることに。
病室のシーンから始まった台本のセリフを探り探りで読み上げる登壇者たち。作品名も知らされず、自分が演じる役がどんな役なのかも分からない状況で、「大丈夫なの?これ」とボヤいてみせる大倉。そんな役者陣に対して岩井も「この役はヤンキーだと思うんですよ」「ニュースキャスターはもうちょっと事件性を強めてみましょうか」など独自の解釈の演出指示を与えて、彼らを翻弄。その指示に右往左往した役者陣が「どういうこと!?」と七転八倒すればするほど、会場も大盛り上がりとなっていった。
そしてその後も、シーンが変わるたびに配役を変えて読み合わせを実施。その都度、岩井からは、「役の性別を変えてください」「歯のない老人になってもいいかな」といった、役者を惑わせるようなムチャぶり演出が次々と飛び出し、会場は大盛り上がり。そしてそれに何とか食らいつこうとする役者陣のプロ根性あふれる芝居は見応え十分で、笑いを織り交ぜながらも、観客を物語の世界へとどんどん誘っていく。
そして物語が佳境を迎えたその時、「ここでおしまいです。どうも本日はありがとうございました」と本読みの終了を宣言した岩井。終始、台本と格闘し続け、見事に読み合わせを終えた役者陣に、会場からは大きな拍手が送られた。なお、この日に読み合わせた作品は何なのか、それは本編を観てのお楽しみ。5月からはWOWOWにて「WOW!いきなり本読み!」と題したオリジナル版の放送も決定しているのでこちらも見逃せない。
放送情報
岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!in東京国際フォーラム」
放送日時:2021年3月6日(土)18:00〜
チャンネル:WOWOWライブ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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