クセのあるメンバーの中でも異彩を放つ!高橋一生の深読みしたくなるミステリアスさ

3月21日に最終回を迎えた、女刑事・望月彩子とサイコパスな殺人鬼・日高陽斗の魂が入れ替わってしまう異色のミステリーサスペンス「天国と地獄 ~サイコな2人~」。よく練られた脚本・演出だけでなく、巧みな入れ替わり演技を見せた綾瀬はるかと高橋一生の功績は大きかった。高橋演じる日高は、表向きはやり手の経営者だが実は殺人鬼で、かつ生き別れた双子の兄がいるという複雑な設定。そんなキャラクター像を持ちながら、入れ替わってからは女性らしい口調、仕草で彩子になりきっているのだからすごい。

写真左から松田龍平、松たか子、満島ひかり、高橋一生(「カルテット」より)

同作に限らず、もともと高橋が持つポーカーフェイスとミステリアスな役どころは非常に好相性。今までにも、包容力がありながら同棲相手に嘘の名前や職業を伝える男を演じた映画『嘘を愛する女』(2018年公開)や、主人公夫婦の向かいに住む訳あり夫婦のレンタル夫を演じたドラマ「僕のヤバイ妻」(2016年)などで二面性のある役柄を演じてきたが、その中で高橋が抜群の存在感を発揮した作品が4月17日(土)に日本映画専門チャンネルで放送されるドラマ「カルテット」(2017年)だ。

本作は、声が小さくて心配性な第一ヴァイオリン奏者・巻真紀(松たか子)、どこでも寝てしまうチェロ奏者・世吹すずめ(満島ひかり)、理屈っぽくて定職に就かないヴィオラ奏者・家森諭高(高橋)、音楽家一家に生まれながら1人だけプロになれなかった第二ヴァイオリン奏者・別府司(松田龍平)、という夢を諦めきれない4人の演奏家が軽井沢で過ごす、ひと冬の奇妙な共同生活をつづったもの。

「東京ラブストーリー」(1991年)や「最高の離婚」(2013年)など数々の名作を生み出してきた坂元裕二が脚本を担当しており、登場人物の何気ない会話や行動の1つ1つがストーリーのテーマや伏線として何度も反芻できる構成になっている。

訳あって姓を偽る真紀や、子どもの頃の出来事で父と確執があるすずめ、真紀に恋心を抱き偶然を装う別府など、それぞれが謎めいた過去を持っているのだが、小学生の時に自転車で日本一周、お金がなくてVシネマに出演した、など嘘みたいな経歴を持つ家森は特に目を引く人物。

彼をきっかけにメンバーたちに論争が巻き起こることも少なくない。「唐揚げ洗える?洗えないでしょ。レモンするってことはね、不可逆なんだよ。二度と元には戻れないの」と時間は不可逆であることを示す"唐揚げにレモンをかけるか論争"や、「好きな人には好きって言わずに会いたいって言うでしょ?会いたい人には会いたいって言わずに、ご飯行きません?て言うでしょ」「言葉と気持ちは違うの。こんなのデートじゃないんだからね!って言うのは、デートでしょ?絶対に怒らないから本当のこと言ってって言われて本当のこと言ったら、めっちゃ怒られるでしょ?それが行間!」と言い放った"行間案件"など、思わずはっとさせられる名言のオンパレード。

ミステリアスな背景を持ち、奔放な発言に驚かされる家森を中心に物語が進んでいくので、否が応でも注目してしまう。そんな家森諭高というキャラクターを浮世離れさせずに、リアリティのある人間として描くことができたのは正しく高橋の力があってこそだろう。

見返すたびに新たな発見がある本作。高橋扮する家森のストレートな言葉に、彼の過去まで深読みしたくなるに違いない。

文=津金美雪

この記事の画像

放送情報

カルテット
放送日時:2021年4月17日(土)13:00~
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

最新の放送情報はスカパー!公式サイトへ

記事に関するワード

この記事をシェアする

関連人物

関連記事

関連記事

人気の記事ランキング

ランキングをもっとみる

スカパー!