映画やドラマでさまざまな顔を見せる成田凌が、しゃべりで魅了した初主演映画

『カツベン!』より
『カツベン!』より

現在放送中のNHK連続テレビ小説「おちょやん」で、杉咲花演じるヒロイン千代の夫となり、二人三脚で喜劇一座「鶴亀家庭劇」を盛り立てていく天海一平を好演している成田凌。

雑誌「MEN'S NON-NO」の専属モデルとして2013年に芸能界デビューを果たした彼は、高梨臨とのダブル主演となった2014年のドラマ「FLASHBACK」で俳優デビュー。そして2016年の「ふれなばおちん」「逃げるは恥だが役に立つ」などのドラマで注目を集めた。その後も数々のドラマや、映画『ビブリア古書堂の事件手帖』『スマホを落としただけなのに』『愛がなんだ』『さよならくちびる』といった話題作に出演。映画・ドラマにオファーが絶えない人気俳優に成長しており、誠実な青年からクズ男、果てはサイコな殺人鬼まで作品ごとにさまざまな顔を見せている。

『カツベン!』に出演した成田凌

そんな成田の映画初主演作となったのが周防正行監督の『カツベン!』である。舞台は今からおよそ100年前。当時、サイレントでモノクロだった映画は活動写真と呼ばれており、映画の上映の際には、日本では楽士の奏でる音楽に合わせ、独自のしゃべりで映画を解説する活動弁士が活躍していた。

成田演じる主人公・染谷俊太郎は、その活動弁士にあこがれを抱いていたものの、夢にはほど遠く、ニセ弁士として泥棒一味の片棒を担がされる日々を過ごしていた。だが、そんなインチキな日々に嫌気が差していた彼は、泥棒一味から逃亡し、とある街の映画館「靑木館」に流れつく。ひょんなことから「靑木館」で働くこととなった俊太郎だが、そこにいたのはひと癖もふた癖もある者ばかり。それでも夢への第一歩を踏み出した俊太郎だったが、そこで大金を狙う泥棒、ニセ活動弁士を追う警察などが繰り広げる大騒動に巻き込まれることになる。

大正時代、映画は庶民が気楽に楽しめる娯楽の王様として活況を呈していた。そんな映画黎明(れいめい)期に活躍した若者たちの息吹を表現するため、本作の主人公とヒロインのオーディションを実施。そして主人公の成田、ヒロインの黒島結菜が選ばれた。周防監督はオーディションの時を「成田さんは会った時の素直な感じ、そして活動弁士として映画を解説している姿がオーディションを通じて想像できたので、その才能を信じてキャスティングさせてもらいました」と抜てきの理由を説明。実際に撮影が始まってからも、成田の中にある三枚目でおちゃめな一面を感じた周防監督は「俊太郎にピッタリ」とわが意を得たようだった。

言葉で観客を魅了する天才的な活動弁士という主人公を演じるにあたり、周防監督からも「しゃべりのプロになること」を求められたという成田。撮影に入る前に、活弁の言い回し、間の取り方、イントネーション、声量を上げるボイストレーニングなど延べ4カ月にわたって特訓を重ねたという。そのかいあって、成田はみるみる上達していったようで、活弁シーンの撮影の際は、流ちょうな言い回しに、響き渡る声。それはあたかも活動弁士そのものとも言うべき姿であったといい、会場に集まったエキストラからも自然と拍手がわき起こったほどだった。

妥協を許さない周防組、かつ映画初主演というプレッシャーに負けず、撮影を駆け抜けたという成田。クランクアップでは思わず涙がこぼれていたというが、それも、それほどまでに全力を傾けて取り組んでいたという証左だろう。

文=壬生智裕

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放送情報

カツベン!
放送日時:2021年5月2日(日)21:00~ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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