三浦春馬多部未華子の演技に惹きつけられる...10年越しのラブストーリー

三浦春馬と多部未華子が共演した映画『アイネクライネナハトムジーク』(2019年)が、6月に日本映画専門チャンネルで放送される。原作は伊坂幸太郎の恋愛小説集で、主題歌「小さな夜」を担当している斉藤和義との交流の中から生まれた物語でもある。メガホンをとったのは今泉力哉。恋愛群像劇を得意とする今泉監督にラブコールを送ったのが伊坂ということもあり、淡々とした描写の中、日常に魔法をかけるような不思議で何度も見たくなる作品となっている。

ラブストーリーという枠を超えて、多くの人たちが小さな出会いの奇跡によって交差していくのも魅力。10年という月日の中で紡がれていく三浦演じる会社員・佐藤と多部演じるフリーター・紗季が見つけたものとは? 

三浦春馬、多部未華子(「アイネクライネナハトムジーク」より)

■劇的な出会いに憧れる三浦演じる佐藤の不器用な恋

舞台になっているのは仙台。映画は佐藤がアンケートをとるために道ゆく人に声をかけるところから始まる。そのとき駅の大型ビジョンに映っているのはヘビー級で世界チャンピオンの座を賭けて闘うウィンストン小野(成田瑛基)の試合だ。この勇気あるボクサーはある意味、物語のキーマンで登場人物たちを繋げ、奮い立たせる存在。同じ場所でギターを抱えていつも歌っている斉藤さん(こだまたいち)も10年という月日を超えて、さまざまな人の人生の局面に出会う不思議な存在として描かれている。

平凡に過ぎていく毎日の中で佐藤が憧れているのはドラマティックな運命の女性との出会い。学生時代からの親友、一真(矢本悠馬)に"後になって出会えて良かったと思えるのが一番幸せなんだ"と言われるが、考えるより先に行動する親友と性格は対照的で、佐藤は石橋を叩いても渡れないお人好しで不器用なタイプ。

偶然、アンケートに協力してくれた紗季のことが気になり、2度もドラマティックな出会いをしたのに、なかなかプロポーズできない優柔不断な男性を、三浦が困惑する表情や気弱な視線も含めて繊細に演じ、感情過多になりすぎない多部の自然な演技も際立っている。

■出会いから10年後に起こる2人の奇跡の結末は?

恋のクライマックスは出会いからちょうど10年後に訪れる。あの日と同じ仙台駅前、ウィンストン小野が再び、世界チャンピオンを目指す試合がビジョンに映し出され、斉藤さんが路上で歌っている。そこに紗季の姿を見つけた佐藤は"これが最後のチャンスだ"と、思いたったようにバスに乗り込んだ紗季を全速力で走り、追いかけていく。

まわりの登場人物たちの人生模様もふくめて、小さな奇跡や幸せはすぐそこにあるのかもしれないと思わせてくれるこの映画。コロナ禍で疲弊しがちな心をそっと癒してくれるに違いない。

文=山本弘子

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放送情報

アイネクライネナハトムジーク
放送日時:2021年6月6日(日)19:40~ほか

※6月20日(日)15:00~は、伊坂幸太郎原作の映画4作品を一挙放送
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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