2021年だけでも『花束みたいな恋をした』『キャラクター』『キネマの神様』『CUBE』など、公開待機作を含めて4本の映画作品が公開される菅田将暉。また、仲野太賀、神木隆之介らと共演したドラマ「コントが始まる」が話題を集めたほか、来年のフジテレビの月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」や、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の出演が早くもアナウンスされるなど、話題に事欠かない。
そんな菅田が2020年に出演した話題作『糸』がWOWOWにて放送される。中島みゆき珠玉の名曲をモチーフにした本作は、平成元年生まれの男女のすれ違い続ける人生を、平成史の変遷と重ねて描き出した壮大なラブストーリーだ。物語の舞台となる北海道・東京・沖縄・シンガポール、各都市でのロケーション撮影も大きな見どころのひとつとなっている。
菅田とともにダブル主演を務めるのは小松菜奈。ふたりは真利子哲也監督の『ディストラクション・ベイビーズ』で初共演し、山戸結希監督の『溺れるナイフ』でダブル主演。さらにはファッションブランド「niko and ...(ニコアンド)」のCMでも共演するなど、ファンの間でもその相性の良さはよく知られているところだ。監督は『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『64-ロクヨン-』『ヘヴンズ ストーリー』などで確かな演出力を見せる瀬々敬久。さらに斎藤工、榮倉奈々、山本美月、高杉真宙、松重豊、成田凌ら豪華キャストたちによるアンサンブルも見応えがある。
本作の主人公となる漣(菅田)と葵(小松)という役名は、平成時代に多く名付けられた名前をもとに命名。そこに普遍性を持たせることで、どこにでもいる市井の人々を描き出すことに注力したという。本作の原案・企画プロデュースを担当した平野隆プロデューサーも、菅田と小松のキャスティングについて「役柄の親和性のみを追求した」と明かしており、菅田については「お芝居はもちろん、人間としての誠実さ」が、そして小松については「色がついていなくて純真無垢な、独特の魅力」が決め手になったという。また、菅田自身も、この作品のオファーを打診され、「これはやらなきゃ」と直感的に決めたという。
また、本作で菅田は、自身初となる父親役に挑戦している。最初は自分に父親ができるのかと心配をしていたというが、現場では娘を演じた子役(中野翠咲、稲垣来泉)と積極に遊んだりとコミュニケーションをとるうちにすっかり意気投合。「子どもたちがかわいくて仕方が無い」と語っていたという菅田。小松は菅田が子どもたちと遊んでいる様子を見て、「いい父親になる」と感じていたという。菅田にとって子どもたちの存在は大きかったようで、子どもたちとのシーンからは自然な優しさがにじみ出ている。
本作のモチーフとなった楽曲「糸」を生み出した中島みゆきは本作を作るにあたり、ただひと言。「決して悲しいだけのエンディングにはしないでください。幸福な物語にしてください」とリクエストしたという。その言葉通り、見終わった後に晴れやか気持ちとなれる物語となっている。
文=壬生智裕
放送情報
糸
放送日時:2021年7月3日(土)13:00~
チャンネル:WOWOWプライム
放送日時:2021年7月3日(土)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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