新垣結衣＆星野源が共演！ターニングポイントを映し出した「逃げ恥」SPに再注目

エンディングに流れる"恋ダンス"を含め、社会現象を巻き起こす大ヒットとなったドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。その後を描いて話題を集めた「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類！新春スペシャル！！」(2021年)が、TBSチャンネル1で7月に放送される。

原作の10巻と11巻をもとに野木亜紀子が脚本を手がけたスペシャルドラマでは、平匡(星野源)とみくり(新垣結衣)は共働き。みくりの妊娠、入籍、平匡の育休など、新たな課題に向き合うことになる。石田ゆり子、古田新太、大谷亮平、藤井隆、真野恵里菜、成田凌などおなじみのキャストも勢揃いで視聴者のテンションを上げた本作のテーマは"ガンバレ人類"。令和の時代に新しい生命を授かった2人がいろいろな現実に戸惑いながらも大奮闘。基本、無表情の平匡がこんなに涙した回はなかったのではないだろうか。"あるある"のシーンも盛り込まれた、切なくて笑えて刺さる逃げ恥スペシャルを再検証してみると？

■みくりの妊娠発覚に塩対応の平匡！？

ドラマでは、みくりが新たな会社で働き、平匡も「料理は科学です」と最新調理機器を使いこなす進化を見せる。効率のいい方法を話し合ってきた2人らしく家事も分担。幸せな結婚生活を送っている。みくりが会社の女性社員たちが産休や育休をとるのに順番待ちをしないといけない現状を知り、「時代は令和だっていうのに」と首をかしげる場面が象徴しているように、時代は変わり価値観も変わってきているのに"なんで？"という問題定義に共感した人も多かったのが"逃げ恥"の新春スペシャルだった。

そんな中みくりが検査薬で妊娠したかもしれないことを告げると、平匡は「確定したらまた話しましょう」と人生の一大事にもかかわらず、まさかの塩対応。嬉しくないんだろうか？と悶々とするみくりだったが、父親になる実感がない平匡は無表情の裏で"しっかりしなければ"とめちゃくちゃ動揺していたのだった。ちなみにこの塩対応リアクションはその後もみくりを悩ませることになる。

■育休をとるために2人が思いついた名案は

女性が産休をとるにも周りのことを気にしないといけないなら、男性が育休をとるのはさらにハードルが高い世の中。平匡が育休をとりたいとプロジェクトリーダーの灰原(青木崇高)に話すと会社の制度には存在するのに、「無理っしょ」と返されてしまう。みくりの提案で"さも当然"という顔をして育休をとろうということになり、さも当然な表情の練習をさせられるシーンや、つわりで苦しみ、すぐ眠くなってしまうみくりの姿を見て平匡が「体の中でものすごい勢いで細胞分裂が起こっている」「眠くもなるよな」と分析して納得するシーンなど、シリアスな中にも笑えるポイントが挟みこまれているのは"逃げ恥"ならでは。灰原を説得する沼田(古田新太)の名言や、みくりとは違う人生の大変な局面に悩む百合(石田ゆり子)と親友(西田尚美)のエピソードなど、コロナ禍を含め、ターニングポイントの時代を映し出している。

経験したことがない事態の連続にみくりも平匡も冷静さを失い、パニックになって感情を爆発させるものの、思いやることで超えていく夫婦の姿が描かれているのが一番の見どころ。まわりの愛にも支えられ、成長していく過程の2人を新垣結衣と星野源が絶妙のコンビネーションで演じている。

文＝山本弘子

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