多部未華子が演じる「等身大の働く女性」の姿に共感の嵐!吉田潮が「わたナギ」の魅力を語る

■「大森南朋に来てほしい!」働く女性が全員叫んだ夜

医者が主人公のドラマは吐いて捨てるほどあるが、MR(医薬情報担当者)というのは珍しい。医者や病院が相手で、高度な専門知識が必要な営業職。高収入だが想像を超える激務だ。多部未華子が演じる相原メイは常に営業成績トップ、社内での信頼も厚いMR。頑張り屋で仕事熱心だが、料理に掃除、家事全般が大の苦手。高確率でモノが行方不明になるほど、部屋は常にカオス。あきれた妹・唯(趣里)が4日間の家事代行をプレゼント。派遣されてきたのは、レジェンド家政夫・鴫野ナギサ。

大森南朋演じるナギサさんは丁寧・迅速、仕事は完璧。しかも元MRと判明。メイの荒んだ生活は一変、彼の家事代行と温厚な人柄にすっかりほれ込む。メイは営業先の医者・肥後(宮尾俊太郎)、同業他社のイケメンMR・田所(瀬戸康史)からも求愛され、果たしてこの恋の行方は...というラブコメディーだ。

恋の行方が気になるのはもちろんのこと、女性たちは家事代行の魅力に胸キュンしたフシもある。頑張り屋の女性は何でも完璧にこなそうとする。「やればできる」と自分を追い込みがちだが、アウトソーシングで楽になる&幸せになれると示唆。親や世間に刷り込まれた価値観を払拭して、働く女の選択肢を広げる、そんなドラマだった。

"おじキュン"という流行語も生まれ、放送後はSNSで毎回盛り上がりを見せていた

メイだけでなく、新入社員の瀬川(眞栄田郷敦)や若手MRの天馬(若月佑美)の粉骨砕身を見せ、MRの過酷さもきっちり描いた。個人的には婚活しまくる同僚の薫(高橋メアリージュン)に思いをはせる。幸せは身近にある「青い鳥」と同じ結末にほっこり。最終話で判明する飯尾和樹のトリッキーな立ち位置、タイトルのオチにも膝を打ったよ。

文=吉田潮

よしだ・うしお●'72年生まれ。ドラマ好きのコラムニスト兼イラストレーター。週刊誌や新聞でテレビ・ドラマ評を執筆。時々テレビにコメンテーターとして出演。著書「くさらないイケメン図鑑」など著書多数。ネコ2匹と同居中。

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放送情報

私の家政夫ナギサさん
放送日時:2021年8月1日(日)11:00~
チャンネル:TBSチャンネル1
※放送情報は変更になる場合がございます

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