奈緒が舞台初主演作を振り返る「2つのお芝居を同時にやっているような感覚で、刺激的でした」

ドラマ「あなたの番です」('19年)で演じたストーカー気質の"尾野ちゃん"役で注目を集め、変幻自在の演技力で魅了する女優・奈緒さん。初夏に主演を務めた舞台「DOORS」が、衛星劇場でテレビ初放送される。

M&Oplaysプロデュース「DOORS」に出演の奈緒と伊藤万理華

撮影:渡部孝弘

「私が演じた女子高校生・真知は、母に対してちょっとした嫌悪を感じているんですが、ある日突然母がもう1つの世界の母親と入れ替わってしまうという、とんでもないことが起きたことで、自分の隠れた本音や、母への愛情に気付いていく...というお話です。最後はささやかな希望にたどり着くのですが、これが今の世の中の"大変なことがあるけれど生きていかないといけない"状況にリンクしている部分があると思っています」

奈緒

作・演出を手掛けたのは、独創的な作品世界に定評がある、劇団ペンギンプルペイルパイルズ主宰の倉持裕氏。奈緒さんも憧れている作家の作品が、自身の舞台初主演作となった。

「倉持さんの作品は、不器用な人間も優しい目線で描かれているのですが、きっとご本人も優しい方なんだろうな、いつかご一緒したいなと、思っていました。今回の作品も、人の完璧ではないところを肯定しているような部分があります。それに、見ていると悲しいだけ、暗いだけっていう感情にならず、同時に笑いがあったり、深いテーマがあったり...。私、パンケーキの上のアイスクリームみたいに、温かいモノと冷たいモノを同時に食べるのが好きなんですが、まさにそんな魅力たっぷりな感じでしょうか(笑)」

奈緒さんはもちろん、同級生役の伊藤万理華さんや、母役の早霧せいなさんらキャスト6人全員が、現実世界の人物とパラレルワールドの人物という2役を演じる。

「2つのお芝居を同時にやっているような感覚で、刺激的でした。万理華ちゃんと一緒の場面が多かったので、稽古の後、駅までよく一緒に帰りました。学生時代みたいでした(笑)。私の発案で皆おそろいの稽古用Tシャツが作れたのも、主演だからかなえてくれたのかな、とうれしかったです」

奈緒

コロナ禍での舞台公演という緊張感ある現場を経験し、さらに成長したよう。

「稽古中は情勢をあまり考えないようにしていたのですが、公演に入る直前、プロデューサーの大矢(亜由美)さんが『たとえお客さまが1人でも、その人のためにやりましょう』とおっしゃって、覚悟ができました。それは今後も、映像作品をやるときにも、ずっと持っていたい意識だなと思っています」

撮影=大石隼土 取材・文=magbug スタイリスト=岡本純子(アフェリア) ヘアメーク=竹下あゆみ 衣装協力=ハウス オブ ロータス

なお●'95年2月10日生まれ、福岡県出身。NHK連続テレビ小説「半分、青い。」('18年)、ドラマ「あなたの番です」('19年)でブレーク。出演映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」が9月10日(金)、「君は永遠にそいつらより若い」が9月17日(金)、「マイ・ダディ」が9月23日(木)に公開を控えている。

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放送情報

M&Oplaysプロデュース「DOORS」
放送日時:2021年8月8日(日)16:15~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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