10月から連続ドラマ「ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~」に主演。2022年の1月に公開される社会派コメディ映画『決戦は日曜日』に主演し、宮沢りえと共演するなど、その演技力が幅広い世代から評価されている窪田正孝。NHK連続テレビ小説「エール」に主演し、多くの人にエールを送り続けた作曲家をときにシリアスにときにコミカルに演じたのも印象深いが、そんな窪田が出演し、ファンの間でも人気の高いドラマが、石原さとみ主演の「アンナチュラル」(2018年)だ。
脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」、「MIU404」を手がけた野木亜紀子で、大ヒットを記録した米津玄師の主題歌「Lemon」も話題に。不自然死究明研究所(UDIラボ)を舞台に石原らが演じる法医解剖医たちの使命や生き様が描かれた。窪田が演じているのはUDIラボに記録員のアルバイトとして採用された医大生。コンプレックスを抱え、将来の道を決めかねているおとなしい青年だが、侮れない顔も持つ複雑なキャラクターだ。視聴者も翻弄される窪田演じる久部六郎の顔を振り返ってみると?
■へっぽこ六郎と呼ばれながら度胸の座った一面も
死者に向き合い、事件現場にも直行する自分たちの仕事を"3K"ならぬ"7K"(キツい、汚い、危険、くさいなど)と言いきりながらも明るく毎日を過ごしている三澄ミコト(石原さとみ)や東海林夕子(市川実日子)のノリについていけず、オドオドしているのが六郎(窪田正孝)。目が泳いでいて、いかにもすぐに辞めそうなアルバイト青年だが、事件についてズカズカと質問する意外な面を見せ、東海林から"爆弾小僧"と言われている。
ミコトと真相を追求している最中に冷凍トラックに閉じこめられ、生命を落としかけるが、絶望寸前の状態で「明日、何食べようかな」、「あったかいものがいいね」と2人で会話を交わすなどドラマ前半からタフな顔も覗かせる。事件解明に繋がる手がかりを見つける洞察力もあり、裏の顔もあいまって「いったい何者?」と思わせられる。
■ミコトに見せるかわいい姿...窪田正孝の演技の多彩さ
本心では何を考えているかわからない六郎だが、ミコトに向ける視線は初々しい男子。いきなり温泉に誘われ(実際は足湯)、「水着持ってないんです」と動揺したり、ごはんを食べていかないかと言われて戸惑ったりと、ミコトには振り回されている。医者の一家に生まれ、厳格な父親とのギクシャクした関係に悩む六郎が心を開くのが実は壮絶な過去を持つミコトだ。口は悪くてぶっきらぼうだが、恋人を殺害した犯人を追い続けている中堂(井浦新)や働く仲間を思う所長(松重豊)の人間性や仕事に懸ける熱に触れる内に六郎の中にこれまで感じたことのない思いが生まれていく。
ドラマ「アンナチュラル」はTBSチャンネル1で9月に放送される。窪田の多面性を楽しみたい。
文=山本弘子
放送情報
アンナチュラル
放送日時:2021年9月7日(火) 1:00~
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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