小泉今日子のヒロイン性が際立つ!大映ドラマ「少女に何が起ったか」に見る奇跡のマッチング

「少女に何が起ったか」
「少女に何が起ったか」

ドラマファンの記憶に今なお刻まれ続ける、数々の"大映ドラマ"。1970年代から80年代にかけて一時代を築き上げ、伝説の歌姫・山口百恵による「赤いシリーズ」をはじめ多くの名作を生み出してきた。

特に80年代の黄金期には、堀ちえみや伊藤かずえ、いとうまい子らアイドル女優たちを一躍スターダムへと押し上げた。"花の82年組"で注目されたキョンキョンこと小泉今日子もまた、この大映ドラマ作品で女優としてのステップを駆け上った一人。その中の一作で、彼女のドラマ初主演作「少女に何が起ったか」(1985年)が、TBSチャンネル2にて10月23日(土)・24日(日)に一挙放送される。

小泉今日子が初主演を飾った大映ドラマの名作「少女に何が起ったか」
小泉今日子が初主演を飾った大映ドラマの名作「少女に何が起ったか」

「少女に何が起ったか」は、小泉扮する北海道の漁村で育った少女、野川雪が主人公。母親の死をきっかけに上京した彼女が、天才ピアニストであった亡き父、東雪彦の娘である証を求めて一流ピアニストを目指すという、ある種のシンデレラストーリーだ。

父親の実家である音楽の名門、東一族は、出生の秘密を知りたい雪を財産狙いと決めつけたばかりか、ピアニストとしての彼女の才能に嫉妬し迫害。ささやかな幸せを追い求める雪の前には、次々と障害が立ちはだかる――こうしたストーリーラインはまさに、ブランド化され熱烈な人気を誇った"大映ドラマ"の世界観そのものだ。

主人公に降りかかる様々な困難、ライバルによる壮絶ないじめといった劇的な展開、大袈裟なナレーションなどが物語を盛り上がる。そして、打たれても、打たれても、立ち上がっていく初志を忘れないヒロインの存在...。そうしたドラマティックな世界観に、当時の視聴者は胸を熱くし、クギづけになった。

まさに「少女に何が起ったか」も、それに連なる一作。同作は、大映ドラマの基礎を築いたともいわれる名匠・増村保造監督が演出・脚本を手掛けていることもあり、単なるシンデレラストーリーに留まらず、秀逸な人間ドラマに仕上がっている。

「少女に何が起ったか」
「少女に何が起ったか」

いわば"正統派・大映ドラマ"を継承する同作には、雪に嫉妬心を滾らせる東家の令嬢・美津子(賀来千香子)、雪を厳しく育て、やがて愛情で結ばれていく恩師の大津教授(辰巳拓郎)、そして毎晩12時に名ゼリフを吐きながら現れる刑事(石立鉄男)ら、大映ドラマの"お約束"ともいえる濃いキャラクターたちが脇を固める。ドラマを盛り上げる一方で、ピアノの鍵盤をバーン!と叩く不協和音が雪の不安な心を暗示する。

そして何と言っても作品のカラーを決定づけるのは、薄幸のヒロイン、雪を体当たりで演じた小泉今日子の魅力だ。

一生懸命でけなげで、ピアノと両親を心から愛する雪。だが、その思いが強いあまり、両親を侮辱されると「バカにすんじゃねぇ!」「ぶっ飛ばしてやる!」と途端に荒っぽい口調に。そのせいで周囲からも誤解され、なかなか東家の人々には認めてもらえない。

それでも雪は、両親から託された「一流ピアニストの"東雪"になる!」という夢のため食らいついていく。36年前の作品だけに今では実現不可能な過激な表現もしばしば登場するが、重く殺伐としがちな物語を、当時まだ10代の小泉今日子のフレッシュなキャラクターがほどよく中和し、エンタテインメントに昇華させている。

「少女に何が起ったか」
「少女に何が起ったか」

現代でも、衝撃的な展開や強烈なキャラクターで惹きつける作品には「大映ドラマの匂いがする」の声が上がるほど、ゆるぎない世界観で人々を魅了し続ける"大映ドラマ"。当時アイドル全盛期だった小泉今日子のフレッシュな存在感が、ドロドロとした濃ゆい大映ドラマの世界観の中でいかに輝くのか?ぜひその世界観にどっぷりと浸ってほしい。

文=酒寄美智子

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放送情報

少女に何が起ったか
放送日時:2021年10月23日(土)・24日(日)20:00~(6話連続放送)
チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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