どこか古風で不器用な姿が愛おしい!坂口健太郎が演じる自然体な好青年の魅力

『今夜、ロマンス劇場で』より
『今夜、ロマンス劇場で』より

近年、役者としてぐっと幅を広げた印象のある俳優・坂口健太郎。ドラマ初主演作の「シグナル 長期未解決事件捜査班」(2018年)で見せたプロファイリングが得意な刑事としてのワイルドな姿や、変わり者の敏腕弁護士に扮した「イノセンス 冤罪弁護士」(2019年)など、作品ごとに新鮮さを覚えるような役が続いていたように思う。

そして、2021年は不愛想で理屈っぽいけれど、実は優しい"菅波先生"を演じたNHK連続テレビ小説の「おかえりモネ」や、仕事は出来るけれど堅物で初対面の女性に偽装結婚を申し込むサラリーマンを演じた「婚姻届に判を捺しただけですが」など、不器用な姿が愛おしいと感じさせる役柄で人気を集めた年だった。もともと"塩顔イケメン"として自然体な空気感が魅力だった坂口。どことなく古風な雰囲気を醸す不器用な役は彼にとってハマり役なのかもしれない。

写真左から綾瀬はるか、坂口健太郎(『今夜、ロマンス劇場で』より)
写真左から綾瀬はるか、坂口健太郎(『今夜、ロマンス劇場で』より)

1月15日(土)に日本映画専門チャンネルで放送される映画『今夜、ロマンス劇場で』(2018年)は、出演作の中でも坂口の純朴な好青年ぶりが生きた作品の1つだ。同作は、綾瀬はるか扮する現実世界に飛び出したモノクロ映画のヒロイン・美雪と、坂口が演じる映画監督を夢見る青年・健司の切なくもファンタジックな恋の行方を描くラブロマンス。

とにかく映画が好きで暇さえあれば、映画館・ロマンス劇場へ通い、古いモノクロ映画を見ていた健司。健司は映画の中のお姫様・美雪に密かに思いを寄せていたのだ。その美雪がある日突然健司の前に現れ、その日から2人の不思議な同居生活が始まった。"しもべ"と呼ばれながらも、モノクロの世界しか知らない美雪にカラフルな現実世界を案内してあげる健司。迷惑をかけられて美雪の代わりに人に殴られようとも、彼女がピンチであれば助けに行く健司の姿は純粋で一途な好青年そのものだ。

そして次第に惹かれ合う2人だが、美雪には人のぬくもりに触れたら消えてしまうという秘密があった。ずっと美雪のそばにいるために健司が下した選択とは...。

ガラス越しのキスに、スカーフを介して繋ぐ手、少し離れて撮る記念写真など、健司と美雪の訳ありの古風な恋愛模様は見ていてとっても微笑ましい。本作では過去の名作映画へのオマージュシーンも数多くあり、よりクラシカルな雰囲気を高めている。例えば、映画の主人公が現実世界へ飛び出してくるという設定はウディ・アレン監督の『カイロの紫のバラ』(1986)のよう。また映画館に足しげく通う健司と映画館主との関係性は『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年)を彷彿とさせる。映画愛にあふれる健司同様に、"映画を愛してほしい"という作り手のテーマが見えるのも面白いポイントだ。

不器用だけど一途な恋心を持つ青年を魅力的に演じた坂口。2022年の春には小松菜奈と坂口のW主演で、不治の病によって余命10年となった20歳の茉莉と、地元の同窓会で出会った和人の物語『余命10年』が公開される。今度はどんな人物を演じるのだろうか。楽しみである。

文=津金美雪

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放送情報

今夜、ロマンス劇場で
放送日時:2022年1月15日(土)10:00~ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

坂口健太郎の放送情報はスカパー!公式サイトへ

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