太宰治をはじめとする文豪の名を懐くキャラクターたちが、架空の都市・ヨコハマで繰り広げる異能アクションバトルを描いた人気コミック『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ・作画:春河35)。アニメなどメディアミックス展開を行っている同シリーズ初の実写映画化作品『映画「文豪ストレイドッグス BEAST」』が2022年1月7日 より公開中だ。
公開初日には、作品のモデルでもある横浜市にある映画館・横浜ブルク13にて、主人公・芥川龍之介役の橋本祥平と、その宿敵となる中島敦を演じた鳥越裕貴、織田作之助役の谷口賢志、太宰治役の田淵累生、中原中也役の植田圭輔といった、舞台版でも同役を演じているキャスト陣と、坂本浩一監督による初日舞台挨拶が行われた。
映画本編上映後ということもあり、静かな興奮に包まれた満席の劇場にキャスト陣と監督が登場すると、会場は大きな拍手に包まれた。登壇者1人ずつの挨拶では、橋本が瞳を輝かせながら「いよいよこの作品を皆さんにお届けする日が来ました。今日、朝、起きてからずっとそわそわしていました。皆さんのご感想や意見などをたくさん目にしまして、本当に嬉しいなと思っております」と初日を迎えられた喜びを爆発させた。
鳥越は、自身が演じている中島敦が巨大で獰猛な白虎に変身する異能の持ち主であることにちなんで、「今年は寅年ですね。楽しみ過ぎて、白虎の目を借りてきました!」と、自身の洋服にあしらわれている大きな目の形をしたブローチを客席に向けてアピールした。
質問コーナーでは、舞台と映画での違いを聞かれた谷口。「(坂本)監督が2.5次元の舞台をいかにリアルにするかをとっても工夫して、髪形から衣装から考えてくれたので、その気合いと緊張感と、今まで舞台で繋いできた4年間の自信が噛み合った、いい雰囲気の撮影現場だったなと思います。そこに坂本監督が入ってきてくれて、いかに俺たちをかっこよく撮ってくれるかっていうのが...」と語ると、一旦口ごもってから、意を決したように「これ、言うわ。今日だから」と坂本監督に向けて「撮るのが多いんだよ!(笑)アクションシーン何回やらせるんだよ!」と冗談めかしながら物申すと、キャスト陣はもちろん、会場も大盛り上がり。坂本監督が笑顔で「『はい、もう1回!』『もっと当てて!(笑)』ってね」と、現場での様子を再現すると、場内は大きな拍手に包まれた。
続いて、田淵が口を開いた瞬間、谷口が「田淵は遅刻してきました!」と、太宰と織田による重要なシーンの撮影中に起こったエピソードを暴露。田淵は「そこの現場に行く電車が1時間に1本しかなくて...。申し訳ございませんでした!」と公開謝罪した。そんな彼の撮影時の思い出として語られたのは、太宰と織田との「barルパン」でのシーン。「入っただけで空気感が違って。しかもそこに賢志さんがいるというので、それだけですごく楽しみで仕方がなかったです」と笑顔を浮かべた。
植田は「これまでの舞台上では(谷口)賢志さんとは共演していないので、『BEAST』の世界だからこそあり得たことなんだな、と思いました」とスピンオフ・シリーズだからこそ実現した共演だったことを振り返る一方で、田淵が、とある収録で同じセリフを3度ほど言い間違い、監督の怒りを買ったことを暴露。監督は「田淵くんはこういう人だから」と笑顔でコメントしていた。
映画『文豪ストレイドッグス BEAST』を皮切りに「文ステ」の最新作「STORM BRINGER」、そしてアニメシリーズ第4期の放送も予定されている2022年。最後の挨拶で、橋本は「映画の初日を迎え、『いよいよ来たな』という気持ちでいっぱいです。皆様の目の前に作品をお届けすることができたことも(作品の舞台となる)ヨコハマという土地で舞台挨拶をできたことも、何より嬉しく思います。もっともっとこの先、いろんな展開をしてほしいなと思いますし、皆様の応援の声が繋がっていくと思うので、ぜひこの映画を見た感想は『#映画文スト』でよろしくお願いします!皆様のそのお声が未来の『if』に繋がるかもしれませんので、ぜひよろしくお願いします」と、これからも『文ステ』の映画作品が続くよう、願いを込めたコメントを残し、舞台挨拶は幕を下ろした。
文=中村実香
放送情報
映画『文豪ストレイドッグス BEAST』
2022年1月7日 より公開中
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