スキンシップ多めの絶妙な距離感！赤楚衛二＆町田啓太の心の声が共感を呼ぶ「チェリまほ」の世界観

タイ発の学園ドラマ「2gether」シリーズを筆頭に、アジア中にBLドラマブームが吹き荒れる昨今。タイのみならず、韓国や中国、フィリピンと各国でヒット作が生まれているが、日本発の"チェリまほ"こと「３０歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」の反響も凄まじい。

2020年の10月期に地上波放送された際には日本はもちろん、タイ、韓国、ベトナムなどでも"チェリまほ"がトレンド入りを果たし、今や200以上の国や地域で見られるまでに。ついにはファン待望の映画版が『チェリまほ THE MOVIE～30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい～』として4月8日(金)より公開されるとあって、今再び熱い注目を浴びている。

原作は、豊田悠による同名漫画。赤楚衛二演じる主人公・安達が童貞のまま30歳を迎えたことで、"触れた人の心が読める魔法"を手に入れてしまい、そこから巻き起こる顛末を描いたラブコメディ。ひそかに安達に思いを寄せる社内の同期・黒沢を町田啓太が演じる。

"チェリまほ"の魅力はまず、なんと言っても安達と黒沢が繰り広げる胸キュンシーンの数々。中でも、5年連続成績トップという営業部のエースで、スーツ姿もかっこいい黒沢の完璧なルックスと、動揺しまくる"心の声"のギャップがたまらない。

第1話では、満員のエレベーター内で安達と密着した黒沢が、「めっちゃドキドキするんだけど!!」と大興奮する"心の声"をキャッチ。すましたクールな横顔とのギャップで一気に黒沢が可愛らしく思えてくる。

また中盤で、具合が悪くなった安達の看病をきっかけに2人が同居を始める場面では、「今日は安達との同棲記念日！」「今日から2人っきりのスイートライフ！」と、黒沢が(心の中では)大はしゃぎ。まさか自分の気持ちが筒抜けとは思わず、「しばらく泊めてもらおうかな」と平静を装う表の顔との温度差を、町田が絶妙に演じている。

安達が手にした魔法が「触れることで相手の心を読む」ものであることから、スキンシップはもともと多め。そこからさらにキス寸止めや、黒沢がつまずいてベッドの上の安達に覆いかぶさってしまう"ベッドドン"など、2人の物理的な距離が近づいていく過程には、赤楚が絶妙に醸し出すウブな雰囲気も相まってドキドキが止まらない。

恋に揺れる安達や黒沢のセリフも、共感を呼ぶ秀逸なものばかり。完璧すぎる黒沢が自分を好きでいてくれると知った安達が、「これ以上、深入りしてガッカリされるのが怖い」と距離をとろうとしたり、「近くにいてくれればそれでいいって思ってた。でも、近くにいたら...欲が出た。同期としてとか、友達としてとか、そんなんじゃいやだ」と、黒沢が意を決して初めて素直な思いを伝えたり...。心の声ではなく、リアルな肉声として相手にぶつける言葉の数々は、どれもストレートで心に響いてくる。

第7話では、黒沢が安達に思いを寄せるきっかけになったとっておきの胸キュンエピソードも描出。恋をすれば誰もが感じる切ない感情に溢れている名シーンだ。

こうして随所にちりばめられた、安達と黒沢のピュアでけなげないじらしさこそが、"チェリまほ"の魅力。ターニングポイントとなった第7話放送時にはTwitterトレンド世界5位(瞬間順位)、さらに日本国内では1位 、タイ2位、ベトナム3位にそれぞれランクインするなど大反響を呼んだが、その熱狂ぶりも納得の普遍的な純愛物語が紡がれているのだ。

映画版では、恋人になった安達＆黒沢のその後が描かれる。順調に社内恋愛を続ける関係からスタートするので、冒頭からたっぷり楽しめること間違いなし。ピュアな恋模様を描いたドラマ版とともに、彼らの"その後"の物語もぜひ見届けたい。

文＝酒寄美智子

この記事の全ての画像を見る