正反対?それとも似た者夫婦?北川景子が主演を務めたドラマ「リコカツ」は運命的な出会いをしたにも関わらず、新婚早々、いきなり離婚の危機に見舞われる2人のコミカルで甘酸っぱいラブストーリーだ。北川が演じているのはファッション雑誌の編集者として多忙な日々を送る水口咲。彼女に初めて恋をする航空自衛隊の堅物エース隊員、緒原紘一を永山瑛太が演じている。瑛太と言えば菅田将暉主演の「ミステリと言う勿れ」に出演し、金髪のミステリアスな佇まいに「リコカツ」とはまるで別人と視聴者を驚かせたばかり。北川と瑛太の愛おしくなる凸凹カップルを振り返ってみると?
■新婚生活は価値観の違いで喧嘩ばかり
2人が出会うキッカケは雪山で遭難した咲を、航空自衛隊航空救難団の紘一が救助したこと。絵に描いたようなドラマティックな出会いだったにも関わらず、育った環境が正反対の2人はお互いの生活スタイルの違いに仰天する。自衛官の父のもとに育った紘一は朝の4時に起床。咲がリノベーションしたオシャレな家に額縁に入れた家訓を飾り、正座して毎朝、唱和するように言い、カーテンがないことに気づいて「キミを危険に晒す可能性がある」と危機感を募らせる。紘一とは対照的な自由な家庭に育った咲は仕事はできるが料理が苦手。朝は和食の紘一は生焼けの魚に目を白黒させる。ファッショナブルな咲といつも同じ服にリュックの紘一。価値観が違う2人はイライラを抑えきれず「キミは見た目や外見がいちばん大切なのか?」、「ただの時代遅れの堅物じゃない?」と新婚早々、離婚の危機に。しかし、実は咲も紘一も正反対なようで思っていることがすぐ顔に出てしまう不器用でピュアな正直者。北川景子は悲しいことがあった時の泣き顔が子供のような全くあざとさがないヒロインを自然体で演じ、瑛太は動揺した時の表情やぎくしゃくした動きにかわいいという声が相次いだ。離婚騒ぎから始まる人間模様、コミカルなラブストーリーの行方とは?
■気がつけば、みんなリコカツしていた?
別れようと思った矢先に、紘一の上を行く堅物の父親と自分を抑えて夫についてきた母親、自由奔放に生きてきた咲の母親と父親も別居してリコカツ中なことが判明し、周囲のドタバタに巻き込まれ、夫婦の関係について考えさせられるのも本作の面白さだ。咲の元カレで独身主義者の弁護士の青山(高橋光臣)、紘一を慕い、"筑前煮女"と話題になった上官の一ノ瀬(田辺桃子)、咲を翻弄するわがままな恋愛小説家の水無月(白洲迅)など、2人を取り巻くキャラクターもどこか"昭和感"が漂っているのがいい。毎回、クライマックスになると流れる米津玄師の曲もドラマを盛り上げる。ちなみに「だが、まだキミの夫だ」は紘一のキメ台詞。咲も「まだあなたの妻だから」と後に返すなどロマンティックなシーンもありながら、紘一のバックハグが格闘技の技のように見えたりと、笑いとのバランスも絶妙だ。
文=山本弘子
放送情報
リコカツ
放送日時:2022年4月29日(金)10:00~
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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