田中圭が癖の強すぎる変人科学者に!? 浮世離れした雰囲気を繊細な表現で演じる!
- コラム
- 2022.04.17
主演映画『女子高生に殺されたい』が4月1日に公開し、11月上演予定の舞台『夏の砂の上』で主人公を務めることも決まっている田中圭。2003年のドラマ「ウォーターボーイズ」での山田孝之演じる主人公の親友役で注目を集め、以降も数多くのドラマや映画に出演し着実に演技力を磨き続けてきた。2016年からの「おっさんずラブ」シリーズで大ブレイクを果たし、その魅力はついに世間に広く認知されることとなった。普通の青年から愛されヒロインまで演じ分ける振り幅を見せ、主演だけでなく名バイプレイヤーとしても広く活躍している。
旬な男・田中圭のゴールデン帯ドラマ初主演作となった「らせんの迷宮~DNA科学捜査~」(2021年)。本作は、天才遺伝子科学者が、熱血刑事や科捜研の美女らと難事件や未解決事件を解き明かし、遺伝子捜査の裏にある人間の業に迫るヒューマンミステリードラマ。
田中は、細胞医療学科・ゲノム解析学研究室所属にして准教授の肩書きを持つDNA専門家・神保仁を演じた。「DNAは嘘をつかない」が口癖で数億桁の遺伝子配列を記憶する天才だが、DNA研究に没頭するあまりに常軌を逸した行動をとるため変人扱いされているという役どころだ。タッグを組む熱血刑事役の安田顕や科捜研の美人所員役の倉科カナのほか、笹野高史や矢田亜希子ら各話のゲスト出演陣も物語に彩りを添える。
多くの作品に出演してきた実力派の田中と安田だが、意外にも今作が初共演となった。涙もろい直情型の刑事と変わり者の天才科学者という正反対のキャラクターを演じ、凸凹バディを作り上げていくのも新鮮で面白い。演技派揃いの芝居合戦も見ごたえがある。また、コロナ禍の影響で1年ほど撮影中断した末にようやく放送を迎えた経緯もあり、主演を務めた田中をはじめキャスト・スタッフの作品にかける熱意も感じられる。
これまでは普通が持ち味の役を自然体で演じたことが多かった田中だが、今作で演じるのは天才であり変人である癖の強いキャラクター。今までにないどこか飄々と浮世離れした雰囲気を、口調や立ち振る舞いから指先や視線の動きまで細部にわたって繊細に表現していた。熱血刑事に影響されてか、子供に対して優しくDNAについて説くなど時折見せる人間味あふれる姿にもキュンとくる。ただの甘い物好きな青年として、特製パフェやチョコレートを頬張る姿も妙に愛らしい。そして、やはり安田との最強タッグがなによりの見どころだろう。新しい田中圭の一面が垣間見える凸凹バディ感を今作で堪能してほしい。
文=中川 菜都美
文責=HOMINIS編集部
放送情報
らせんの迷宮~DNA科学捜査~
放送日時:2022年4月24日(日)10:50~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります