竹内結子×阿部寛の異色コンビが息ぴったり！病院内で起こる事件の真相を紐解くミステリー

清潔感あふれるビジュアルと穏やかなたたずまい、そして聞き心地のよい温かな声が魅力の女優・竹内結子。芸能界デビュー作となったCMで披露した好感度バツグンの笑顔で多くの人の心を掴んだ彼女が、あっという間に数々のドラマや映画で活躍するスターへと成長したことは、多くの人の記憶に刻まれていることだろう。なかでも2002年放送の「ランチの女王」は、竹内のコメディエンヌとしての才能が一気に開花したドラマとして有名。同作で彼女が披露したはじけるような笑顔と軽妙なセリフ回しは"周囲の男性から恋心を抱かれる、太陽のような女性・なつみ"という主人公の設定に圧倒的な説得力を与えた。

そんな竹内の存在感が際立つ名作として知られているのが、2008年公開の映画『チーム・バチスタの栄光』を第一作とするミステリーシリーズだ。

竹内が演じるのは、東城大学医学部付属病院の不定愁訴外来に勤務する心療内科医・田口公子。同病院で執刀されていた難易度の高い左心室縮小形成術、通称、バチスタ手術で立て続けに起こった術中死の原因調査を院長に任された彼女は、7名からなるチーム・バチスタのメンバーに事情聴取してまわる。心療内科医という、人の話を聞くテクニックの持ち主である田口を、竹内は親しみやすい笑顔と優しい声で表現。穏やかな口調で各メンバーへの聞き込みを行い、それぞれの特徴を「ワシ」「モグラ」などのさまざまな動物に例えながら、聞き込みの結果をまとめていく。医師というよりも探偵というにふさわしい田口のキャラクター性を、竹内はナチュラルな演技で印象づけていく。

そんな竹内の演技をさらに引き立てるのが、物語の中盤で登場する、阿部寛演じる破天荒な厚生労働省の切れ者役人・白鳥圭輔の存在だ。田口が"事故"としてまとめようとしていた一連の術中死を殺人と断定し、再調査に趣く白鳥。メンバーを煽り、怒りの感情をむき出しにさせる中で本音を暴くという手法を使って、チーム・バチスタの問題点を浮き彫りにしていく。そんな白鳥に翻弄される田口の心模様を、竹内はくるくると変化する表情で見事に表現した。

『チーム・バチスタの栄光』で無事に問題を解決に導いた田口と白鳥のコンビが再結成されるのが、続編『ジェネラル・ルージュの凱旋』だ。東城大学付属病院内における諸問題を扱う倫理委員会の委員長に任命された田口のもとに、新たに舞い込むのは、堺雅人演じる救命救急のセンター長・速水と医療メーカー「メディカルアーツ」との癒着を告発する文書。時を同じくして、メディカルアーツの支店長が院内で墜落死するという事件が発生する中、患者として病院へやって来た白鳥と共に田口は新たな事件の真相に迫っていくことに。本作での竹内は、パワフルな白鳥に翻弄されつつも、彼との付き合い方に少し慣れた様子の田口を好演している。

ソフトボールの試合でピッチャーを務め、ハーフパンツのユニフォーム姿も披露するなど、竹内のアクティブな魅力も垣間見ることができる本シリーズ。彼女の唯一無二の存在感を堪能して欲しい。

文＝中村実香

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