デビュー20周年を迎えた小泉孝太郎がドラマ「眼の壁」で演じる役について語る「すぐ愛着が湧きましたね」

日本を代表する小説家・松本清張の傑作ミステリー「眼の壁」。WOWOWで連続ドラマ化される同作の主演を務めるのが、小泉孝太郎さんだ。

「『連続ドラマW』主演で、しかも松本清張原作。喜びと同時に『苦しくなりそうだ』という予感がありましたね」　

そう笑顔で語る小泉さんが演じるのは、バブル終焉期の1990年に、資金繰りに苦しむウキシマ電業製作所の経理課長・萩崎。甲本雅裕さん演じる上司・関野が巨額の手形詐欺に遭い、失踪したことで、萩崎は事件の裏に潜む闇に近づいていく。

「彼は、ごく普通の一般的な男性なんですが、心の奥に熱い炎みたいなものを抱えているんですよね。そうじゃないと、会社に見捨てられた上司をただ一人、必死に捜すという行動は取らないですから。そういう意味でも、萩崎という人物は、信頼できる男だなと思いました。だからこそ、すぐ愛着が湧きましたね」

"出会えて良かったキャラクター"と小泉さんが語る萩崎は、新聞記者の友人・村木の力を借りて真相追及に乗り出す。その村木を演じるのは、現実でも小泉さんの大親友である上地雄輔さんだ。

「配役を聞いた段階で、不安でしかなかったですよ(笑)。仲が良過ぎるがゆえの油断が出たらどうしよう、と思っていましたね。今まで雄輔と共演したことはありましたが、ここまでのセリフの分量や、ここまで親しい間柄の設定で演技をすることはなかったんですよ。でも、今回のお仕事では、普段は『こーちん』『雄輔』と呼び合っている僕らが、撮影現場でパッと『村木』と『萩崎』になれたんです。そこで"お互いプロになったんだな"と実感しましたね(笑)」

小泉さんが"大好きな先輩"と語る共演者・加藤雅也さんからは、撮影現場でこんな言葉をもらったという。

「『これは間違いなく小泉くんの代表作になるよ。役者としてこういう作品に出会えるということはものすごく幸せだし、運もないと出会えないよ』とおっしゃってくださって、すごくうれしかったですね」
　
今年でデビュー20周年を迎えた小泉さん。

「芸能界でいろいろな人、そして作品と出会い、いろいろな仕事ができたから、今、自信を持って役者をやれている気がします。そういった積み重ねがあったからこそ、本作に出会えたと思っています」

こいずみ・こうたろう●1978年7月10日生まれ、神奈川県出身。2002年、ドラマ「初体験」で俳優デビュー。俳優業を主軸に、バラエティ番組などでも活躍中。映画出演最新作「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」が6月に公開予定。

撮影＝中川容邦　取材・文＝中村実香　スタイリスト＝北村彩子　ヘアメーク＝石川武　衣装協力＝Paul Smith／ポールスミス

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