仲間由紀恵が冷徹な母親に!?シングルファーザーを演じる向井理の苦悩も垣間見えるドラマ「10の秘密」

向井理が中学生の娘を持つシングルファーザー役に初めてチャレンジしたのが本格サスペンスドラマ「10の秘密」だ。脚本は「チーム・バチスタ」シリーズなどを手がけた後藤法子。幼かった娘を必死で育ててきた建築確認検査員の白河圭太(向井)の元妻で上昇志向のカタマリのような弁護士、仙台由貴子を仲間由紀恵が演じている。

「10の秘密」で主演を務めた向井理
「10の秘密」で主演を務めた向井理

(c)カンテレ

ある日、娘を誘拐され、それまでの平和な生活がガラガラと音を立てて崩れる経験を味わう圭太。幼なじみの圭太が何かとんでもないことに巻き込まれているのを察知し、力になろうと協力する幼なじみの菜七子(仲里依紗)、由貴子が顧問弁護士を務めていた大手建設会社の室長であり、恋人でもあった宇都宮(渡部篤郎)、娘の瞳(山田杏奈)に近づく謎のピアニスト、翼(松村北斗)、誰もが何らかの秘密を抱えていて、その謎が回を追うごとに明かされていく展開が実にスリリングだ。由貴子が止めようとするものの建設中のビルの屋上から手帳とUSBを持ったまま飛び降りた社員の自殺の理由とは?瞳を誘拐した人物とは?夫婦が10年前に共有した"火事"の原因とは?1話目から推察せずにはいられないドラマゆえ謎解きにハマった視聴者も多いのではないだろうか。本心が見えない登場人物ばかりの中、戸惑う父親を演じた向井理、成り上がるためなら手段を選ばない母親を演じた仲間由紀恵の演技をプレイバック。

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■秘密が暴かれるたびに変化する向井理の表情に注目

向井理演じる圭太はバイオリニストを目指す瞳の夢を叶えるため、必死に働き、節約レシピを考え、家事もこなすシングルファーザー。しかし、瞳が誘拐されたことで初めて娘が悩みを抱え、父親を信用できないと思っている事実を知る。父と母が昔のように仲良く暮らしてほしいと思っていること、父がずっと自分に重大な秘密を隠し続けていること。圭太はセレブな生活を送っている由貴子のタワマンを訪ねるが、姿を消した彼女の部屋は督促状だらけだった。笑顔の裏で思いつめている娘の気持ちや元妻の抱えている欲望や闇に全く気づかなかった圭太はショックの連続。秘密が暴かれるたびに穏やかな表情が曇って、険しくなり、生命さえ奪われかねない状況の中、自分なりに愛情を注ぐのではなく、娘を守る毅然とした父親に成長していく向井の表情の変化は見どころのひとつだ。2人が夫婦だった頃の第1話の回想シーンで由貴子が圭太に問いかける「誰だって秘密の1つや2つ持ってる。隠しきれない秘密がいちばん罪深い。この秘密、墓場まで持っていける?」という言葉が最終回まで頭に残る構成になっている。

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■視聴者もフリーズした仲間由紀恵演じる恐怖の母親?

「娘のためなら何だってする」と覚悟を決める父親と「全部捨てて新しい人生を生き直すの」と会社の弱みにつけ込んで巨額の大金を手にする母親。真相に近づいていくたびに娘をも騙した由貴子への憎しみを募らせる圭太が、居場所を突き止め、激しく争う場面は一触即発の緊張感。貧乏で母親の愛情に恵まれなかった由貴子の生い立ちゆえか、離婚しても自分を慕う娘に「大嫌い。お母さんって呼ばれるの」と言い放つ回では母の微笑みから氷のように冷たい顔に豹変する仲間由紀恵の演技に"やばすぎる""こわい"という声が相次いだ。登場の合図のように由貴子が履いている黒い靴のピンヒールの音が鳴り響くのも怖さを増幅させる。夫婦で隠そうと決めた10年前の秘密、建設会社が隠蔽した秘密、いったい幾つの秘密を抱えて生きてきたのか? お金と欲望によって人生の歯車が狂ったのは彼女だけではなく、圭太も娘を幸せにしたいあまり、自分を見失いそうになる。サスペンスとしてもヒューマンドラマとしても見応えがある。

文=山本弘子

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放送情報

10の秘密
放送日時:2022年6月16日(木)3:00~、19:00〜
チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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