林遣都小松菜奈が主演の異色のラブストーリー!潔癖症と視線恐怖症の男女の恋を描く『恋する寄生虫』

7月にスタートするドラマ「初恋の悪魔」で仲野太賀と久しぶりにタッグを組むことになった林遣都。坂口健太郎とのW主演映画『余命10年』が大ヒットとなった小松菜奈。2人がW主演をつとめたラブストーリーが映画『恋する寄生虫』だ。原作は三秋縋による同名小説で、監督は数々のCMやミュージックビデオを手掛けてきた柿本ケンサク。

林は日常生活がまともに送れないほど潔癖症の高坂賢吾を、小松は視線恐怖症で学校に通えない高校生・佐薙ひじりを演じている。リアルとSFファンタジーが交錯する本作は、CGを使った映像や、デートをするシーンのロケ地も話題に。他人との接触を避け、心の傷に苦しみ、生きづらさを抱えている2人が出会い、恋に落ちるストーリーで、林と小松が見せた演技、そして印象的なシーンとは?

■世界に絶望している2人が、磁石のように惹かれ合う

林演じる高坂は8才のときに両親が自殺して以来、そのトラウマで潔癖性になった。普段から何度も何度も手を洗い、学生時代にはバスケットボールを触っただけで失神。バスにも乗れず、PCの前でクリスマスイブに世界に復讐する計画を立てている。一方、小松演じる佐薙も、少女時代の悲しい体験から他人の目が怖くなり、祖父(石橋凌)から頭の中には虫がいると思い込まされている。

『恋する寄生虫』に出演する林遣都と小松菜奈
『恋する寄生虫』に出演する林遣都と小松菜奈

(C)2021「恋する寄生虫」製作委員会

他者や現実を拒絶しているという意味では似た者同士だが、気になるところは違う。例えば佐薙はヘッドホンでノイズを遮断し、人の目を見なければ1人で自由に行動できるが、高坂は他人が食べ物を食べているのを見るだけで嘔吐してしまうのだ。唯一の聖域である自分の部屋に無理やり入り込んできて、勝手に音楽をかけ、ベッドに寝転がる佐薙に顔色を変え、消毒液を持ちながら走り回る林。その演技はパニック状態に陥っているのにどこか滑稽で、心理描写がさすが。一方、まるで昔からの友達の家に来たかのように振る舞い、慌てる様子を見て面白がっているように見える小松は表情豊かでキュートだ。「この世界は何で僕なんかを生かしているんだろう」、「私と同じ匂いがする。絶望の匂い」。心の声が2人を引き寄せていく――。

■やがてマスクを外し、ヘッドホンを外す林と小松の表情が柔らいでいく

映画の主要キャストは4人のみ。登場人物が少ないだけに高坂と佐薙にフォーカスを当てて見られる内容となっている。強気だった佐薙が"人の目を見ると脅迫されている気持ちになる"と本音をぶつけ、マスクなしでは外を歩けなかった高坂がマスクを外すように。自転車で2人で走るシーンや、佐薙が注文したハンバーガーの中にエイリアンがいるように見え、顔をしかめたり、スクラッチに挑戦して遊園地の招待券を当てるたり...唯一の味方と思える相手と一緒に過ごすことによって、殺伐としていた2人の目に徐々に優しい光が宿っていく過程が、丁寧な演技によって表現されている。

(C)2021「恋する寄生虫」製作委員会

幸せな日々を送っている2人だが、祖父と謎の男(井浦新)によって新たな展開を迎えること...。悲しい記憶が残る美しい湖での幻想的な映像や、クリスマスイブのイルミネーションの中でやがて2人だけが残る映像など、非現実的な世界に引き込まれる。ファンタジックな世界を演出する音楽の使い方にもセンスが光っている。

文=山本弘子

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放送情報

恋する寄生虫
放送日時:2022年6月19日(日)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ

放送日時:2022年6月23日(木)18:15~
チャンネル:WOWOWプライム

※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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