ドラマ版「アキラとあきら」で向井理斎藤工が演じた男同士の熱いタッグ

「連続ドラマW アキラとあきら」で共演した向井理と斎藤工
「連続ドラマW アキラとあきら」で共演した向井理と斎藤工

竹内涼真と横浜流星がW主演を務めることでも話題になっている映画『アキラとあきら』。原作は「半沢直樹」、「陸王」、「空飛ぶタイヤ」などのベストセラー作家・池井戸潤の小説で、2017年には向井理と斎藤工がタッグを組み、WOWOWでドラマ化された作品だ。境遇の異なる2人が運命に導かれるように同じ大手銀行に就職し、友情を深め合いながら、それぞれの人生を切り拓いていく見応えたっぷりの社会派人間ドラマとなっている。

バブル期、バブル崩壊と激動の時代を銀行の裏側も含めてリアルに描いた物語の中、向井が演じているのは日本有数の大企業"東海郵船"の社長の長男で、家業を継ぐことを拒否し、東大卒業後にメガバンク・産業中央銀行に就職したエリートの階堂彬。斉藤が演じているのは幼い頃に父親の会社の倒産を経験し、挫折を味わいながら東大卒業後に彬と同じ銀行に就職することになった山崎瑛だ。クールで頭脳明晰、滅多に感情を表面に表さない彬と、"困っている会社を助けたい"という信念を貫く熱い性格の瑛。新人研修でアキラとあきらは社員たちの前で融資対決を繰り広げ、のちに伝説のバンカーとして語り継がれることになる。"宿命"がひとつのキーワードとなっている本作で向井と斎藤が戦う男たちをリアルに演じている。

■不思議な運命で結ばれた男同士の友情がアツい

同じ銀行に同期で就職した階堂と山崎は、実は子供の頃に出会っていた。山崎のお守りは倒産した父の会社でかわいがってくれた人と別れる時にもらった"ロザリオ"。それを拾い、「これ、君の?」と渡したのが、偶然通りがかった階堂だった。その後も顔を合わせていたことが判明し、2人の友情は時を追うごとに深まっていく。信念を曲げない山崎が上司とぶつかって飛ばされた時は、相談された階堂が山崎の力になり、「もっと欲を出せ。俺はオマエと一緒に仕事がしたい」と早く東京に戻ってくるように促し、"東海郵船"の長男でもある階堂が人生の岐路で悩んでいる時には山崎が倒産した時の辛かった思い出を語り、「運命を恐れるな」と喝を入れる。生まれた時からエリートコースを歩むことが決まっていたようなスタイリッシュな階堂になりきった向井は、電話に出る時の姿勢や仕草までスマート。お坊っちゃま育ちの階堂にどこかでコンプレックスを抱いている山崎を演じた斎藤は、優しさや嫉妬心が伝わる表情豊かな演技を見せる。

■対照的な性格の2人が苦難をどう乗り切っていくかが見どころ

新人研修の時の部長の挨拶「相手を見て生きた金を貸すのがバンカーだ」を胸に1980年代後半から1990年代後半までの揺れ動く時代の中、さまざまなことを経験して成長していく2人の様が丁寧に描かれているのも本作の魅力だ。努力家で頭がキレる山崎は人情家でもあり、直球で勝負するタイプなので、危ない橋は渡らない銀行の上司とたびたび、衝突。失敗をしながらも、バンカーとして昇進していく。しかし、その行動力が恋愛では全く活かされず、少年時代から片思いしている女性(田中麗奈)になかなか告白できず、視聴者をモヤモヤさせるのが癒しポイントだ。一方、隙がないように見える階堂の弱点は弟(賀来賢人)。祖父に会社を継ぐのが宿命だと言われながらも好きな道を選んだことでたびたび責められ、自分自身も弟が次期社長の立場になってしまったことに責任を感じている。バブル崩壊後に起こった出来事により、階堂は人生の転機と危機を迎えることになるが、弟を気づかうあまり、なかなか決断できず、周囲をヤキモキさせる。助けられることの方が多かった山崎が成長し、バンカーとして階堂をサポートする2人の最強タッグも見どころである。

文=山本弘子

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放送情報

連続ドラマW アキラとあきら
放送日時:2022年8月28日(日)13:00~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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