「夜来香ラプソディ」で歌姫・李香蘭を演じた木下晴香がその演技について語る!「彼女ならではの哀愁や色気を漂わせることを意識しました」
- 俳優・女優
- 2022.08.31
第二次世界大戦末期ながら、ネオンが輝き、人々が歌と酒に酔いしれた上海の租界。「夜来香(イエライシャン)ラプソディ」は、そこで出会った2人の作曲家、服部良一と黎錦光(れいきんこう)、そして李香蘭(りこうらん)ら音楽を愛する人々が、軍事的圧力に翻弄されながらもコンサート開催に奔走する姿を描く音楽劇だ。服部良一を松下洸平さん、黎錦光を白洲迅さん、そして歌姫・李香蘭を数々のミュージカル作品に出演してきた木下晴香さんが演じ上げた。
「世界で活躍した歌姫なので、私で良いのでしょうか?と、役をいただいた時に思いました。演じる上では当初、戦時下を生き抜く彼女の強さを意識していましたが、劇中でプライベートのシーンが多いので、素の表情を大事にするようになりました。普段、ミュージカルでは役の心情を歌いますが、今回の音楽劇では歌手・李香蘭として曲を表現するので、歌の先生と相談しながら、彼女ならではの哀愁や色気を漂わせることを意識しました」
劇の冒頭では、軍からの召集を受けて上海を訪れた服部良一と李香蘭が対面するやいなや、黎錦光が作曲した「夜来香」を一緒に歌うシーンが登場する。
「優しさも甘さも深さもある松下さんの歌声が好きで、初めて歌声を重ねた時からすごくワクワクしてました。フレーズは少ないですが、毎回ハモるのがとても楽しかったですね。李香蘭、服部先生、黎先生の3人は共に音楽を愛する強い気持ちを持って通じ合っていたので、ただの作曲家と歌手という関係だけではない絆があったと思います。そんな中、松下さんは毎回"ド直球"で服部先生の葛藤と気持ちをぶつけてくださいました。例えば、音楽会を目前にして服部先生が『もう公演は無理だ!!』と感情をあらわにするシーンでも、松下さんの演技で、私も彼らが置かれた状況にショックを受けてすごく傷ついたほどでした」
物語終盤では戦況がますます悪化し、軍事的圧力や裏社会の思惑など、さまざまな魔の手が3人に忍び寄る。
「戦争が過去のものではないと感じる状況下で演じたので、セリフの染み入り方も違うように感じましたし、改めて音楽の持つ力が人種や戦争を超えて、多くの方に届くことを信じたいとも思いました。毎回、舞台上で李香蘭として感じるままに演じましたので、その姿をぜひご覧ください」
きのした・はるか●1999年2月5日生まれ、佐賀県出身。2017年、オーディションでミュージカル「ロミオ&ジュリエット」のジュリエット役を射止め、以降はミュージカルを中心に活躍。10/29(土)から上演されるミュージカル「ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~」に出演予定。
撮影=宮田浩史 取材・文=及川静 スタイリスト=山田安莉沙 ヘアメーク=三宅茜
放送情報
cube 25th presents 音楽劇「夜イエ来ライ香シャンラプソディ」
放送日時:2022年9月25日(日)17:30~ほか
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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