白洲迅が10月14日(金)に全国公開(※10月7日(金)に福岡、熊本先行公開)する映画『向田理髪店』に出演する。
同作品は、直木賞作家・奥田英朗の同名小説を映画化したもので、寂れた元炭鉱町「筑沢町」にある理髪店の親子の葛藤を軸に、過疎化、少子高齢化、介護、結婚難など、どこの地方も抱える深刻な問題に直面しながらも懸命に生きる人々の姿を通して、現在の日本で忘れられてしまった家族の絆、人との繋がりの大切さを観る人に思い出させてくれる心温まる物語。白洲は、高橋克実演じる理髪店「向田理髪店」を営む康彦の一人息子・和昌を演じる。
康彦は筑沢で妻・恭子(富田靖子)と共に親から継いだ理髪店を営んでいた。理髪店の客は近所の老人たちがほとんどで、仕事が終われば同級生の瀬川(板尾創路)や谷口(近藤芳正)と近所のスナックで移り変わる町の愚痴を口にする毎日。そんなある日、東京で働いていた息子の和昌が帰郷し、会社を辞めて店を継ぐと言いだす。恭子が素直に喜ぶ一方、康彦は自分の過去が頭をよぎり不安を感じる...というストーリー。
今回、白洲にインタビューを行い、最初に台本を読んだ際の感想や役作り、高橋や富田との共演、自身の大きな決断などについて語ってもらった。
――初めて台本を読んだ時の感想は?
「とても面白く読ませていただきました。心温まる家族の話に感動しながら、ところどころに入っているユーモアな表現であったり、田舎ならではの小さい事件から本当の刑事事件まで起きてしまうというファンタジックな展開など、全体を通して飽きさせない良い作品だな、と思いました」
――ご自身が演じる和昌の印象は?
「ある日突然、『会社辞めた』って言って東京から帰ってきて、『床屋を継ぐ』って言う役どころなのですが、何かとても共感できる部分がありました。和昌は27歳の設定なのですが、20代後半って多少経験を積んで、周りと比べてみたり、『自分はこのままでいいのだろうか』とかいろいろ余計なことを考え始める時期だと思うんです。僕もまさにそうだったし。そんな悩んでいる若者の代表みたいなキャラクターなのかな、と。一方で、『すごくバイタリティー溢れる男だな!』とも(笑)。ポンッと仕事辞めてきちゃうのもそうだし、『床屋を継ぐ』って言って、『その床屋にカフェを併設させて...』とか計画しているし、親父に絶対反対されるのをわかっていながらも押し通そうとするし。そういうところは、バイタリティーがあって、勇気があるなって思いました」
――ご自身が20代後半の時に悩んでいたことというのは?
「仕事に関して、いろんなことを求めるようになっていたんです。そういうマインドでいると"今、自分がどれだけ恵まれているか"というような良い面を見られなくなっていて、とてもつらいんです。ある種、ちょっとわがままにもなっているんでしょうし。苦しい最中はいろんな人に相談してみたりしたんですけど、その時期ってアドバイスがわからないんですよ。頭ではわかるけど、心の底からはわからないという感じ。苦しみ抜いた後、『結局、捉え方次第だな。どれだけ悪いことを受け流して、楽しいことに目を向けられるかが大切なんだ』と気付いて、その感情とうまく付き合えるようになった今なら、思い返せばすごく理解できるんですけど(苦笑)。でも、その時にいただいた先輩方からの助言は間違いなくプラスになったし、その時期の自分があったからこそ今の自分があるんだと思います」
放送情報
映画『向田理髪店』
10月14日(金)全国公開
※10月7日(金)に福岡、熊本先行公開
詳しくはこちら