菅田将暉、野村周平、吉沢亮が制服姿でワチャワチャ！賑やかな学園生活が懐かしい映画「男子高校生の日常」

菅田将暉、野村周平、吉沢亮という今や連続ドラマや映画の主演を張る人気俳優たちが、20歳になるかならないかというタイミングで出演した映画「男子高校生の日常」（2013年公開）が、12月にＷＯＷＯＷシネマで放送される。本作は人気ギャグ漫画を松居大悟監督が実写化したもので、菅田が演じる真面目で不器用なタダクニ、お調子者で友達思いのヨシタケ(野村)、オタクっぽい眼鏡男子のヒデノリ(吉沢)などのキャラクターは活かしながら、リアルな学園ものとして展開し、原作を知らなくても問題なく楽しめる。

タダクニたちの通う男子校が、隣にある女子校と合同で文化祭を開催することになり、普段は女子との交流がない男子たちは大はしゃぎ。帰宅部で放課後はいつもグダグダと過ごしているタダクニたちもお化け屋敷をやることになる。タダクニは、偶然手を握った女子校の生徒会長・りんご(岡本杏理)を意識し、ヨシタケたちに、つい「彼女とは知り合いだ」と言って見栄を張ってしまう。同級生たちはタダクニを応援してりんごとくっつけようとするが...。

菅田が演じるタダクニは、自意識過剰なくせに抜けていて、親友のヨシタケとヒデノリに乗せられ、女子の気持ちを体感するため妹のスカートを履いてみるものの、すぐ妹に見つかってビンタされるような運の悪さがある。他の作品では天才やとんがった少年を演じてきた菅田がごく普通の思春期男子を演じているのが今見ると新鮮で、当時から演技もナチュラルで上手い。6年後の「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(2019年日本テレビ系)ではもう教師役になったことを考えると、ほわんとした高校生の演技は貴重だ。のちに実写版「銀魂」シリーズでも共演した吉沢亮や佐藤二朗(教師役)との顔合わせも楽しい。

また、野村は単純でお馬鹿なヨシタケを好演し、笑いを誘う。後に映画「ちはやふる」シリーズでイケメンの優等生・真島太一を演じた同一人物とは思えないほどだ。ヒデノリ役の吉沢亮も、「斉木楠雄のΨ難」(2017年)の海藤瞬役につながるような中二病っぽいキャラを楽しそうに演じている。菅田、野村、吉沢の3人や同級生役のキャストで「女子のスカートはどんなスタイルが好きか」「自分はSかMか」などと男子高校生らしいトークする場面はまるでアドリブのようで、彼らの素顔が垣間見える。

他にタダクニの同級生役として、菅田との共演が多い仲野太賀も出演。栗原類や、劇場公開当時なんと39歳だった東京03の角田晃広らも高校生を演じている。女子生徒役では前年に「桐島、部活やめるってよ」(2012年)で鮮烈な映画デビューを飾った山本美月や、最近、「ドライブ・マイ・カー」(2021年)で注目された三浦透子の姿も見られる。

フィクションではあるが、コロナ禍で一変する前の学園生活が映し出されていて、今見ると感慨深い。マスクなしで友達とダラダラと話し、笑い合い、文化祭当日はワイワイと盛り上がる。そんななんでもないような日々が幸せだったと思う。甘酸っぱいノスタルジーを感じさせる一作だ。

文＝小田慶子

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