プロ野球解説者・真中満が今シーズンの春季キャンプの見どころを語る 「新監督たちと巨人の巻き返しに注目」

プロ野球の春季キャンプが始まり、シーズン開幕が楽しみになってくる2月。今季は監督が変わったチームも多く、史上初の現役ドラフトやFAで選手の移籍も目立った。そこでキャンプ中継の見どころをはじめ、プロ野球のキャンプとはどういうものなのか、解説者の真中満さんに伺った。

■今季の新監督たちや巨人の巻き返しに注目

選手、監督・コーチとして春季キャンプを経験した解説者の真中満さん。

「私の現役時代は、オープン戦が始まる時期から逆算してコンディションを仕上げるイメージで臨んでいました。守備や走塁はある程度計算できるのですが、打撃は波があるので、調子を整えるのが最も難しかった。新人の頃はメニューをこなすのに精いっぱいで余裕がないし、先輩にも気を使うのでかなり疲れます。１軍に定着していない選手だと、首脳陣にアピールしなくてはいけません。キャンプ中継で新人や若手選手をチェックすると、彼らの本気度が伝わって面白いと思います」
　
また監督時代には、どのようにキャンプに臨んでいたのだろうか。

「練習メニューなどは、基本的にコーチに一任して私がチェックするという形でした。意識していたのは、選手の状態を見極めること。特にベテランや故障明けの選手の状態は気になります。あとは１軍とファームの当落線上にいる選手をシビアな目でチェックしないといけません。また、野手のポジション変更や救援から先発に変わる投手など、起用法を変える選手も要チェックでした。新人や新加入選手も含めて、首脳陣は戦力の底上げを期待しているので、そういう選手たちに着目するのも醍醐味だと思います」

キャンプは、シーズン中には難しく細かい連携プレーや戦術を試す場でもあり、目の肥えたファンにも見どころは多い。

「解説者にもキャンプ中継はありがたいんです。12球団全てを見ることは困難なので、見られないチームの状態を確認できるんです。新人や新外国人を中心にチェックしています。また、新監督も楽しみです。今季であれば、千葉ロッテの吉井理人新監督。理論派で非常にユニークな人なので、どんな野球を見せてくれるか興味深いです。広島の新井貴浩監督、埼玉西武の松井稼頭央監督も同様に注目しています。チームとしては、大補強の福岡ソフトバンクはもちろんですが、個人的には巨人が気になります。昨季Bクラスからの巻き返しに目の色を変えてくると思うし、大久保博元さん、阿波野秀幸さんという私もよく知るコーチ2人が加入し、チームが変わる予感がしていますからね。もちろん、3連覇を目指す東京ヤクルトも目が離せません。抑え投手が誰になるのかも興味深いですしね」

まなか・みつる●1971年1月6日生まれ、栃木県出身。1992年D3位でヤクルト(当時)に入団し、計4回の日本一を経験。2008年現役引退後は打撃コーチなどを経て、東京ヤクルトの監督に就任。2015年にリーグ優勝に導いた。現在は解説者として活躍中。「真中満が行く！」(スポーツライブ＋)など出演。

取材・文＝渡辺敏樹

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