マラドーナの「神の手」などW杯の名場面、事件簿を振り返る

6月14日(木)に開幕する、FIFAワールドカップロシア大会がいよいよ近づいてきた。西野朗新監督が就任した日本はグループリーグを突破できるのか、王者ドイツの2連覇はなるのか、ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウド、アルゼンチンのメッシ、ブラジルのネイマールら、スーパースターたちの活躍など見どころは尽きない。ここでは過去20回開催されてきたFIFAワールドカップの名場面や、事件簿などの珍場面を振り返ってみたい。

1930年のウルグアイ大会で歴史の幕を開けたFIFAワールドカップ。1950年のブラジル大会では決勝で開催国のブラジルがウルグアイにまさかの逆転負け。優勝を信じて疑わなかった観客の中にはショック死する者まで出て、スタジアムの名前から"マラカナンの悲劇"と呼ばれた。そのブラジルが3度目の優勝を果たしたのが1970年のメキシコ大会。これが4大会連続、最後のFIFAワールドカップ出場となった王様ペレ、"白いペレ"と呼ばれたトスタン、この大会全試合でゴールを決めたジャイルジーニョ、司令塔のジェルソン、"左足の魔術師"の異名を持つFKの名手リベリーノら、そうそうたるタレントを擁し、現在でも史上最強チームの呼び声が高い。

1974年の西ドイツ大会では"フライング・ダッチマン(空飛ぶオランダ人)"ヨハン・クライフが世界に衝撃を与えた。全員攻撃、全員守備の新戦術「トータルフットボール」を打ち出したクライフ率いるオランダは決勝に進出。最後は皇帝フランツ・ベッケンバウアーを擁する西ドイツに屈したものの、革新的なプレーで世界中を魅了した。

"マラドーナの大会"となったのが1986年のメキシコ大会。アルゼンチンを優勝に導いたディエゴ・マラドーナは準々決勝のイングランド戦で2つの伝説を作った。後半すぐに、ゴール前の浮き球に飛び上がってヘディングにいったマラドーナがゴールを決めた。だが、左手が触れていたように見え、試合後にハンドではないかとメディアに問われると、「神の手が触れた」と語り、"神の手ゴール"と呼ばれた。その4分後には、センターライン付近でボールを受けると、そのままドリブルを開始し、約60mを駆け上がり、最後はキーパーも交わしてゴール。FIFAワールドカップ史上最高のゴールと言われる"5人抜きゴール"が生まれた瞬間だった。そのマラドーナも1990年のイタリア大会では決勝で西ドイツの前に涙をのみ、連覇はならず。西ドイツの指揮官ベッケンバウアーは選手時代に続き監督としてもFIFAワールドカップ優勝の栄光に輝いている。

そして日本が悲願の初出場を果たした1998年のフランス大会では、開催国のフランスが初優勝。それまで何度も優勝候補に挙げられながら、なかなかチームがまとまらず優勝に手が届かなったフランスだが、司令塔のジネディーヌ・ジダンを中心に組織力を発揮し、初の栄冠に輝いた。

また、FIFAワールドカップでは番狂わせの大波乱や、事件もたびたび起きている。1966年のイングランド大会では初出場の北朝鮮がイタリアを1対0で破る奇跡の勝利を見せた。イタリアは2002年の日韓大会でも韓国に1対2で敗れ、大金星を献上している。1982年のスペイン大会では、1次リーグのフランス×クウェート戦で前代未聞の事件が起きた。フランスのゴールに、クウェートのファハド王子がグラウンドに降りてきて猛抗議。「客席の笛の音でプレーを止めてしまったのでノーゴールだ」と主張し、なんと審判はそれを認めゴールを取り消した。FIFAワールドカップで一度認めたゴールが取り消されたのは後にも先にもこれだけだ。ほかにも2006年のドイツ大会決勝で、相手選手の言葉に怒ったフランスのジダンが頭突きをして退場になるなど、FIFAワールドカップではさまざまな事件も顔をのぞかせている。

ヒストリーチャンネルではFIFAワールドカップロシア大会の開催直前の2週間、「THE HISTORY OF FOOTBALLウィーク」と題し、サッカーの特別編成を実施。オリジナルコンテンツやFIFAオフィシャルコンテンツを独占放送する。また、6月2日(土)~10日(日)は 24時間連続オンエア。FIFAワールドカップの歴史や名場面を振り返り、ロシア大会の開幕に備えよう。

文=エンターバンク

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放送日時:2018年5月28日(月)~6月2日(土)21:00~ ほか
チャンネル:ヒストリーチャンネル 日本・世界の歴史&エンタメ

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放送日時:2018年5月30日(水)~6月2日(土) 1:00~ ほか
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