昨年を含め、過去4度のF1ドライバーズチャンピオンに輝いているルイス・ハミルトン(イギリス、33歳)。F1での通算優勝回数は、2017シーズン終了時点で62回と、ミハエル・シューマッハに続く歴代2位の勝星をあげている。そんなハミルトンは8歳の時にレーシングカートを始めた。10歳でイギリスのカートチャンピオンを獲得したハミルトンは、オートスポーツ・アワードのセレモニーに出席した際、マクラーレンの総帥ロン・デニスに歩み寄り、「いつか、あなたのところでレースをしたい」と言った。デニスは微笑みながら、ハミルトンの持っていたサイン帳に「9年後に連絡するように」と書いたという。だが、ハミルトンの才能に気づいたデニスは、それからわずか3年後の1998年にマクラーレン・メルセデス・ヤング・ドライバー・サポートに迎え入れ、長期契約を結んだ。"マクラーレンの秘蔵っ子"となったハミルトンはフォーミュラ・ルノー、F3ユーロ、GP2と、各シリーズでチャンピオンになりながらステップアップ。ついにF1のシートを獲得する。
2007年、マクラーレンからF1参戦を果たしたハミルトンは、第6戦のカナダGP初優勝を含め、開幕戦から9戦連続で表彰台に上がる鮮烈なデビューを飾った。だが、シーズン後半はマシントラブルや自身のミスでポイントを伸ばせず、最終的にはキミ・ライコネン(フェラーリ)にわずか1ポイント差でドライバーズチャンピオンの座を逃した。翌2008年もコンスタントにポイントを積み重ね、フェリペ・マッサ(フェラーリ)と大接戦を展開し、今度は1ポイント差で逃げ切り。23歳で史上最年少(当時)のF1ドライバーズチャンピオンに輝いている。だが、その後2009年からはチャンピオンに手が届かないシーズンが続き、2013年にメルセデスへ移籍。2014年は新型V6エンジンが他チームを圧倒していたこともあり、19戦中、優勝11回、表彰台16回という圧巻の成績で2度目のドライバーズチャンピオンを獲得した。翌2015年も開幕から12戦で11ポールポジションと破竹の勢いは止まらず、年間10勝をあげて、少年時代から憧れていたアイルトン・セナに並ぶ3度目のチャンピオンを手に入れている。2016年は序盤の不振が響き、僅差でチームメイトのニコ・ロズベルグに王座を譲ったものの、昨年は自身初の全レース完走という安定感を見せ、ミハエル・シューマッハの保持していた通算ポールポジション(68回)の記録も塗り替え、4度目のドライバーズチャンピオンに輝いた。
今季は第4戦のアゼルバイジャンGPで初優勝し、その時点でドライバーズランキングのトップに立っているハミルトン。第6戦のモナコGPは過去にまだ2度しか優勝したことがなく、3度目の栄冠にかける意気込みは強いはず。風光明媚な海岸沿いのモンテカルロ市街地を疾走する、F1で最も長い歴史を持ち、人気のあるモナコGPで、ハミルトンがどんな走りを見せるのか必見だ。
文=エンターバンク
放送情報
2018 F1グランプリ 【第6戦 モナコGP】 決勝
放送日時:2018年5月27日(日)21:40~
チャンネル:フジテレビNEXT ライブ・プレミアム
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