五十嵐亮太がセ・パ2024年順位予想！「阪神優位は揺るぎない！オリックス4連覇を止めるのは福岡ソフトバンク」

3/29(金)に開幕するプロ野球の2024年シーズン。スカパー！プロ野球セットのチャンネルをはじめスカパー！番組配信では、各球団の試合中継や情報を今シーズンも放送・配信する。

開幕を前に、「プロ野球ニュース2024」(フジテレビONE)をはじめメディアで積極的に発言して大いに盛り上げてくれているプロ野球解説者・五十嵐亮太さんに、セ・リーグ＆パ・リーグの今シーズンの順位を予想してもらった。

■セ・リーグは頭一つ抜けている阪神が優勝候補か

【セ・リーグ予想順位】
1位　阪神
2位　広島
3位　巨人
4位　東京ヤクルト
5位　横浜DeNA
6位　中日

阪神は補強こそ目立ちませんでしたが、やはり頭一つ抜けていると思いますね。セ・リーグ5球団の補強にしても、今の阪神を脅かすほどのインパクトはないかなと。投手力が群を抜いていますし、新外国人として速球派のゲラ選手も加わりました。また、岡田彰布監督の野球を各選手が深く理解できていますしね。

昨季に試合巧者ぶりが目立った広島を2位にしました。投打共数字が良くない中で2位につけた新井貴浩監督のベンチワークも光っていた昨シーズン。中軸で打線をけん引した西川龍馬選手がFAで抜けた穴を埋められるかが課題ですね。

3位は巨人。阿部慎之助新監督の手腕は未知数ですが戦力は整っているし、補強にも積極的に動きました。投手陣ではセットアッパーが課題でしたが、福岡ソフトバンクから高橋礼選手や泉圭輔選手を獲得。すんなりハマるかは分かりませんが、現有メンバーとの競争の中で、誰が抜け出していくかを見ていきたいですかね。対戦相手や調子を見極めて適材適所にという首脳陣の手腕も問われると思います。昨季は阪神に借金12と大きく負け越したので、この差を埋めないことには厳しいですね。

4位に予想した東京ヤクルトも昨季は阪神に借金10。対阪神を意識して戦う必要があります。打線は昨季たびたびけがで戦列を離れた、リードオフマンの塩見泰隆選手が1番に定着できるかがポイントですが、主砲の村上宗隆選手は昨季よりは計算できそうですし、オスナ選手、サンタナ選手の両外国人も安定感がある。打線はいいとして課題は先発投手。奥川恭伸選手に期待したいところですが、故障で2年間投げていない彼がローテーションの柱になるのは難しい。ただ、福岡ソフトバンクでも実績のある貴重な中継ぎ左腕として嘉弥真新也選手の加入は大きいと思います。

5位にしましたが、昨季阪神と唯一互角に戦った(借金1)チームが横浜DeNAです。しかし今永昇太選手とバウアー選手の先発投手主力2枚が抜けたのはやはり痛い。2人の穴を埋めるのは難しいでしょう。救援陣が充実しているのは強みなので、接戦に持ち込めれば、粘り強いが戦いができるかもしれません。

中日は高橋宏斗(※「高」は正しくは「はしご高」)選手、柳裕也選手、小笠原慎之介選手ら投手力は充実していて、問題は打力。核になる選手との期待を込めて中田翔選手(元巨人)を獲得しました。得点圏打率の低さが課題だったので、中田選手の加入でそこを強化できれば面白い存在になると思います。先発が踏ん張り、少ないチャンスをものにして抑えのマルティネス選手につなぐ野球ができれば、というところですね。

結論として、主力選手の長期離脱でもない限り阪神の優位は動かず、他の5球団の力の差はあまりないように思います。

■オリックスの4連覇を阻止するのは福岡ソフトバンクか!?

【パ・リーグ予想順位】
1位　福岡ソフトバンク
2位　オリックス
3位　埼玉西武
4位　千葉ロッテ
5位　北海道日本ハム
6位　楽天
　
パ・リーグは福岡ソフトバンクを1位にしました。埼玉西武より山川穂高選手のFA加入で打線に厚みが増しましたね。他にも柳田悠岐選手、近藤健介選手、栗原陵矢選手、牧原大成選手らに加え巨人よりウォーカー選手も加入しました。打線は1番に周東佑京選手がハマれば強いと思います。小久保裕紀新監督の采配が注目されますが、ポイントは投手起用。クローザーのオスナ選手をはじめ救援陣は強力なので、先発陣がうまく機能すれば盤石でしょう。モイネロ選手が先発に転向しますし、若手からベテランまで駒はそろっていますからね。

2位はオリックス。山本由伸(ドジャースへ移籍)、山崎福也(※「崎」は正しくは「立さき」) (北海道日本ハムへFA移籍)と核になる先発2枚が抜けました。彼らで稼いだイニング数も相当ですし、その穴を埋めるのは相当大変かと。ただ、反面で宮城大弥選手や山下舜平大選手ら若手投手のさらなる飛躍にも期待したいです。打線はいいですし、広島から西川選手が加わったのも大きい。これだけの大黒柱が抜けて4連覇するようなら、中嶋聡監督は歴史に残る名将の仲間入りを果たすかも。著書が出たら僕も買いたいです(笑)。

3位と4位は迷いましたが、埼玉西武を3位と予想しました。高橋光成(※「高」は正しくは「はしご高」)選手、平良海馬選手、今井達也選手ら2桁勝てる先発陣を誇り、福岡ソフトバンクから甲斐野央選手や新外国人のヤン選手やアブレイユ選手が加わった中継ぎ陣も楽しみです。打線も長打力のあるアギラー選手、コルデロ選手の新外国人がうまくハマれば面白い。松井稼頭央監督も2年目で昨季よりは戦力も把握して采配もさえるのではないでしょうか。

千葉ロッテは、昨季の吉井理人監督の采配が本当によかったですね。劇的な勝利も呼び込んだりもしましたし。5年目を迎える佐々木朗希選手がエースとして自覚を持ち、気合十分で臨むと思います。ただ、彼の出来次第というリスクもあるし、打線が他球団よりやや弱いかなと現状感じています。

5位は北海道日本ハム。若い選手が台頭し、強打のレイエス選手ら新外国人も補強したので戦力は整ってきています。上沢直之選手がレイズとマイナー契約して先発陣から抜けましたが、山崎選手がFAでオリックスより加入。伊藤大海選手も昨季は悔しいシーズンになったと思うので今季は期するものがあるはずです。昨季、打撃開花した万波中正選手ら生きのいい若手が多く、爆発力のある新庄剛志監督の野球はやはり魅力です。ハマれば上位進出の可能性もありそうですね。

楽天は田中将大選手らベテラン勢がどれだけ意地を見せるかにかかっているチームだと思います。ただ、ベテランの奮起を期待しなければいけない現状が弱点でもあります。中堅以下が伸び悩んでいますからね。それでも松井裕樹選手がパドレスに移籍したので、則本昂大選手を抑えに転向させたプランは素晴らしいです。打線は破壊力やつながりという面では、他球団に比べて少し弱いかなと感じてしまいます。

昨季行われたドラフトは「豊作イヤー」と言われて、楽しみなルーキーが多いのは確かです。キャンプの時点ではまだ評価はできませんが、横浜DeNAの度会隆輝選手の打力は印象的でした。フォームが柔らかくて飛ばす力は間違いなくありますね。ただ、ルーキーに関してはベンチの起用法も重要です。かつて上原浩治さん(元巨人ほか)が1年目に20勝しましたが、今の野球ではあり得ない。環境も起用法も体の強さも違う現代の選手に適した育て方、使い方をしていく必要がありますよね。

とにかく、セ・リーグは阪神の独走阻止の鍵を握るのが巨人と東京ヤクルト。この両チームが阪神と五分で戦えるようなら、一気に大混戦になるでしょう。他の3球団も対阪神を強く意識すると思うので、阪神がどう迎え撃つかが楽しみです。

パ・リーグはやはり福岡ソフトバンクに注目したい。さすがに山本選手が抜けたオリックスに4連覇されたら悔しいはず。個人では、やはり佐々木朗希選手の活躍に期待したいですね。今季はリミッターを外して、ぜひ15勝は挙げてほしいと願っています。セ・パ共にシーズン終盤まで熱い戦いを見せてほしいですね。

取材・文＝渡辺敏樹　※取材は2月上旬に実施

この記事の全ての画像を見る