1860年に第1回大会が開催された、世界最古の歴史を誇るゴルフ大会、全英オープンゴルフ選手権。正式名称は「THE OPEN」で、全英もゴルフもつかない。イギリスのプライドの高さと、ゴルフの権威と格式の重みが感じられる大会だ。第147回を迎える今年は、7月19日(木)~22日(日)に、スコットランドのカーヌスティで開催。7400ヤードという長い総距離、吹きすさぶ強風、多数のバンカーが待ち受ける、世界で最もタフと呼ばれる難コースで熾烈な戦いが繰り広げられる。
日本勢は、アメリカPGAツアーで通算5勝をあげている松山英樹が優勝に最も近い存在だが、日本の国内ツアーから参戦する宮里優作、小平智にも注目したい。宮里は2003年にプロデビューするも、なかなか結果が出せず、大活躍する妹・宮里藍の"お兄ちゃん"という見方をされることが多かった。だが、プロ11年目の2013年、ゴルフ日本シリーズJTカップで悲願の初優勝を飾ると、それまでなかなか発揮できなかった才能が開花。2014年、2015年にも勝利をマークし、2017年には年間4勝をあげる大活躍で初の賞金王に輝く。それは同年に現役を引退した妹・藍へ贈る、兄の意地の祝福のようだった。その妹・藍もついに成し遂げられなかったのが海外メジャー制覇。ゴルフ一家である宮里家の悲願を背負い、宮里優作はスコットランドに乗り込む。全英オープンは2年連続で予選落ちに終わっているが、今年こそ予選を突破し、優勝争いに食らいつく奮闘を見せてほしい。
そして小平智のゴルフ人生も決して平坦ではなかった。高校時代は数々の実績を残し、2008年に日本大学に進学するも、レギュラーになれず中退してしまう。その後、テストを経て2011年にプロ入りするも、2年間は勝つことができなかった。2013年に日本ゴルフツアー選手権で初優勝を果たし、その後も毎年勝星をあげていったが、2015年に元賞金女王の古閑美保と交際してからは、どうしても古閑の彼氏という形で取り上げられることが多かった。2017年には結婚し、妻と同じ賞金王を獲得する寸前だったが、最終戦で宮里優作に逆転されてしまった。だが、今年4月のRBCヘリテージで、国内組ながらアメリカPGAツアー初優勝という快挙を達成。出場15戦目での優勝は、松山英樹の26戦を大きく上回る日本人最速記録だった。これで名実ともにトップゴルファーとなった小平は、自信を持って3度目の全英オープンに臨む。
昨季日本ツアーの2トップがしのぎを削り、日本で磨いたゴルフが最高峰の舞台で輝きを見せることができるのか。また、宮里優作、小平智以外にも日本からは池田勇太、谷原秀人、時松隆光、市原弘大らが出場予定。世界屈指の難易度を誇るコースで繰り広げられる戦いで、日本勢の優勝を争う活躍を期待したい。
文=エンターバンク
放送情報
全英オープンゴルフ選手権
放送日時:2018年7月19日(木)14:30~
チャンネル:ゴルフネットワーク
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