開幕直前!新城幸也がツール・ド・フランスの魅力を激白

今年で105回目を迎える世界最大のサイクルロードレース「ツール・ド・フランス」。J SPORTS 4では、7月7日(土)から3週間にわたって繰り広げられる熱戦の模様を全21ステージ独占生中継する。日本の認知度はまだそんなに高くないが、全世界で30億人が観戦するという一大イベントで、その人気はサッカーW杯や五輪に匹敵すると言われる。
そこで、日本人選手として、これまでにツール・ド・フランスに7回参戦するなど、日本ロードレースの第一人者である新城幸也選手に直撃し、大会の魅力やレース中の知られざるエピソードや、本番に向けて調整に余念がない選手たちの様子などを語ってもらった。

(C)Yuzuru SUNADA

毎年、世界中が熱狂している"ツール・ド・フランス"ですが、この大会の魅力とは?
「日本の皆さんがロードレースを見たときに『何で、先頭にいるのにそのままゴールしないんだろう?』って疑問に思うことと同じように、フランスの方も野球を見ていると何がアウトでストライクなのか意味が分からないことがあります。これは、日本とヨーロッパの文化の違いで、日本人にとって野球は身近なスポーツですけど、フランス人にとっての野球のような存在が自転車レース。ツール・ド・フランスを楽しむということは、ヨーロッパでは当たり前のことなんです。だから"ツール"が自分たちの街にやって来るってことになったら、それは一大イベント。絶対ありえないですけど、箱根駅伝のコースが近所に来ることと同じぐらいすごい。そういう夏祭り的な楽しみが、長い間続いているんです。ヨーロッパの人たちは自転車競技に対する理解が深いですし、応援の熱量もすごいですね」

Photo:Miwa IIJIMA

そんな大注目のレースは3週間という長丁場ですが、体調管理はどのようにされているのですか?
「毎日、気を付けることだらけです(笑)。例えば、コーラ1本飲むにしても"今これを飲んだら体がどうなるのか?"って、自分の体調と相談しながらになります。特にレース前半は気を遣いますね。途中で食べ過ぎて太ったりすると走りに影響が出てきますから。前半ステージは、なるべく消化が良くてエネルギーになりやすいパンだったり、おにぎりとか。後半は、さすがに固形物をパクパク食べているような余裕もなくなってくるので、ジェルのようなもので乗り切ったりします。食事のサポート面は充実していて、大体各チームでシェフを連れて来ています。基本的には出されたものを食べますけど、アレルギー対応も万全ですし、魚が嫌いな人は"魚の日"でも鶏肉を焼いてもらったりしています。あとは、やっぱり睡眠が大事。僕は、いつも10時間寝るようにしています。疲れてくると眠れない日もありますけど、他にやることがないですし、個室ではないので。目を閉じて、眠気が来るまでじっとしています(笑)。まぁ、どんな状況でも眠れるということも最後まで戦い抜く条件の一つですね」

ロードレースはさまざまな大会がありますが、"ツール・ド・フランス"用の特別な練習法はありますか?
「選手によって準備の仕方は違いますけど、最近は高地合宿が多いですね。大体、標高2000mぐらいの場所でトレーニングしています。体がフレッシュな状態じゃないと3週間走り切ることは難しいので、約1カ月前から合宿に入って調整します。一度、体にレースのリズムを思い出させるために、前哨戦のような大会をはさんで本番に臨んでいます」

今年の"ツール"のコースの特徴はどうとらえていますか?
「最後に向けて山岳ステージが集まっていますよね。短い距離(約65km)で山を3つ、4つ登るステージはかなり過酷だと思います。そういう意味では、今回のツールはクライマーが得意なコース。2014年の大会のときに似ているサーキットになっていますね。クラシック(※伝統ある1日開催のレースで石畳や激坂がコースに登場)も山も走れるような選手が上位に来るかもしれません」

Photo:Miwa IIJIMA

そういえば、今年のツールは新城さんの"地元"を走るんですよね?
「第2ステージの中に、僕の家があります(笑)。だから、第1、第2ステージは練習コース。どんな道になっているのか、よく知っていますよ。海沿いの道なので、結構グダグダしていて危ないんです。住み始めて、もう8、9年ぐらいですかね?景色はきれいですし、牡蠣が有名なんです。選手は食べられませんけどね。さすがに、大会中はやめておいた方がいいと思います(笑)」

では、最後に今大会の見どころをお願いします。
「今年から1チーム8人編成になったので、スプリントもアシストもできて山岳にも強い選手が有利かもしれません。戦術は、レース当日の風向きや風速などで判断。仕掛けどころは、走りながらタイミングを見て動いていくことになると思います。チームの戦略や選手個々の動きはもちろん、ファンの方たちの熱い応援もツールの見どころの一つ。その熱狂ぶりを、ぜひテレビの前で味わっていただけたらと思います。そして、自転車競技の選手を目指している人たちが、ツールのレースを見て自分もそこに参加したいと思ってもらえたらうれしいですね」

Profile
新城幸也=あらしろ・ゆきや。1984年9月22日生まれ。沖縄県石垣市出身。2009年にフランスのプロチームに加入し、初出場したツール・ド・フランスで日本人初の完走。2017年までに7度の完走を果たしている。2010年の世界選手権では日本人歴代最高の9位に入り、ロンドン五輪、リオデジャネイロ五輪に出場するなど日本代表選手としても活躍。2017年からはUCI(国際自転車競技連合)ワールドチーム「バーレーン・メリダ」に所属している。

文=小池貴之

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放送情報

Cycle*2018 ツール・ド・フランス

放送日時:2018年7月7日(土)17:35~

チャンネル:J SPORTS 4

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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