真壁伸弥がラグビートップリーグ開幕と来年のW杯を見据えた想いを語る！

日本ラグビー最高峰の「ジャパンラグビートップリーグ」が、8月31日（金）に開幕する。来年9月に開幕するラグビーワールドカップ日本大会に向けて、各選手にとっては日本代表入りへアピールの場でもあり、白熱した戦いが繰り広げられそうだ。3連覇を目指すサントリーサンゴリアスの真壁伸弥選手（31歳）は、193㎝、125㎏の巨体でアグレッシブに突進する中心選手。2009年より日本代表、2016年からはスーパーラグビーに参戦するサンウルブズでも活躍している。今季のサンゴリアス、トップリーグの見どころ、ラグビーワールドカップへの想いを語ってもらった。

真壁選手にとって10年目のトップリーグ開幕が近づいていますね。

「サントリーのラグビーは、簡単に言うと、ハードワークしないと成り立ちません。全員がものすごく走る。だから僕もめちゃくちゃ走らされています。今（7月下旬）のままの僕が試合に出たら、15分でへばるでしょう（笑）」

これまで2年間も運動量で相手を上回っての連覇でしたが、今年はもっと走っているということですね。

「そうです。各選手がGPSを装着してトレーニングしているのですが、現時点で、昨シーズンのトップリーグ期間中のピークの数字を上回っています。しかも、若い選手が多くなった。僕も大変ですよ。試合に出られるかどうか、不安の毎日です」

具体的には、どんなスタイルなのですか。

「ラグビーのプレースタイルにもトレンドがあります。いまはどのチームも同じような攻め方になっている。しかし、サントリーは少し違っていて、他のチームが真似したくなるような戦い方をコーチ陣が考えています。ボールを受けるちょっとしたポジショニングなどが新しくなっていますし、ディフェンスのいないスペースをどう攻略するかをよく考えています」

今年のトップリーグは来年9月に行われるラグビーワールドカップの準備のため短縮バージョンで行われます。総当たり戦ではなく、16チームを８チームずつに分けてリーグ戦を行い、それぞれの順位ごとのトーナメントになります。12月15日までという短期決戦になりましたね。

「サントリーにとっては怖いシステムです。今年は序盤（第1戦＝トヨタ自動車、第2戦＝NTTコミュニケーションズ、第3戦＝神戸製鋼）に実力あるチームと戦います。サントリーは、どちらかというと尻上がりに調子を上げるタイプだったので、今年は最初からチーム力を上げて臨まなくてはいけません。そして、それこそが今年の見どころだと思います。ほとんどのチームが、開幕戦からベストメンバーを組んでくるでしょう。一試合でも星を落とせば大きく順位を下げる可能性があり、どの試合も緊張感あるものになると思います」

今年のトップリーグは、どこが強いと思いますか。

「トヨタ自動車、神戸製鋼は強いと思いますよ。フィジカルに自信を持っているチームが、サントリーは苦手でもあります」

今シーズンのトップリーグが終わると、ワールドカップイヤーになります。

「2015年のラグビーワールドカップでは、プール戦で3勝したのに決勝トーナメントに進めませんでした。ほんとうに悔しかったです。2019年はなんとしても進出したい。だからこそ、いまも現役を続けています。2019年はプール戦4試合にすべて勝ち、準々決勝で戦ってみたいです。そのためには、トップリーグで良いパフォーマンスを見せ、日本代表に選ばれなくてはいけません。そのために大事なシーズンだと思っています。僕はもともと大きくて走れるのが売り。それをトップリーグで見せ、サンウルブズ、日本代表につなげたいです」

最後にもう一度、トップリーグへの意気込みを聞かせてください。

「サントリーはトップリーグ3連覇を経験していません。その難しさはよく分かっています。ハードワークするしかない。連覇で止まった過去の悔しさを思い出し、今度こそ3連覇したいという気持ちで頑張ります」

Profile
1987年宮城県生まれ。2009年にサントリーサンゴリアスに入団し、主にロック(LO)として活躍。
2012年には主将としてチームを率い、トップリーグと日本選手権を制覇。2015年には、ラグビーワールドカップの日本代表に選ばれる。2016年、17年とトップリーグを連覇しており、今シーズンは3連覇がかかる。趣味はブログで、ラグビーとウイスキーをこよなく愛する。

文＝村上晃一　撮影＝中川容邦

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