町田樹の新たな旅立ち!フィギュアスケーターから"研究者"へ

写真左から宮本賢二、町田樹「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」
写真左から宮本賢二、町田樹「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」

10月のジャパン・オープン2018、カーニバル・オン・アイス2018を最後に、プロフィギュアスケーターとしての活動を終えた町田樹。ソチ五輪5位、2014年世界選手権銀メダルなど、数々の実績を残し、競技引退後はプロスケーターとして観客を魅了し続けてきた個性的な天才スケーターは、研究者としての道を歩むこととなった。

Photo by Yuuri Tanimoto

3歳からフィギュアスケートを始めた町田は、移り住んだ広島県に通年で使えるリンクがなかったため、スケートリンクのある岡山県の高校に進学。3年間、新幹線で通学し、長い通学時間は読書に親しんだ。2006年の全日本ジュニア選手権で優勝するなど若くして才能を発揮した町田は、シニアに移行後も紆余曲折を経ながらも成長を続けた。とくに2013-2014年には、グランプリシリーズ、アメリカ大会、ロシア大会で連勝を飾り、続く全日本選手権でも羽生結弦に続く2位を獲得。激闘の末、ソチ五輪代表の座をつかんだ。

五輪ではショートプログラムで11位と出遅れたものの、フリーではバレエ音楽の「火の鳥」を華麗に舞い、銅メダルと1.68点差の5位と健闘。五輪後の世界選手権では、ほぼノーミスの演技を見せ、優勝した羽生にわずか0.33点差で銀メダルを獲得した。翌2014-2015年シーズンもグランプリシリーズのアメリカ大会で連覇を果たし、さらなる飛躍を期待された町田だったが、全日本選手権終了後に衝撃が走る。世界選手権代表決定を紹介されたリンク上で、「フィギュアスケート選手としての引退を本日、決断しました」と、突然の引退発表。驚いたファンの悲鳴が会場に響き渡った。

2015年3月に関西大学を卒業後は、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に進学し、スポーツや芸術のマネジメントについて研究してきた。また同時に、早稲田大学大学院での研究活動と並行して、プロスケーターとしてアイスショーに出演し、自ら振付けも手掛けるなど、フィギュアスケートと芸術の融合を極めてきた。そして2018年10月のアイスショーで9分超の大作「人間の条件:マーラー・アダージェット」を演じ切り、25年間のフィギュアスケート人生に終止符を打った。

Photo by Yuuri Tanimoto

今後、研究者としての道を歩む町田は、トーク番組「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」に出演。元アイスダンサーで振付師の宮本賢二の「フィギュアスケーターにとって最も必要な素質は?」という質問に、「技術を磨き続けることのできる職人気質、あくなき探求心とともに、表現力を磨くための知的感性、そして一発勝負に臨む勝負師としての心構え」と答え、熱いフィギュアスケート論を交わした。町田ならではの研ぎ澄まされた感性と、意外な素顔が垣間見られる対談は、ファンならずとも見逃せない内容となっている。

Photo by Yuuri Tanimoto

Profile
町田樹(まちだたつき) 1990年神奈川県生まれ。グランプリシリーズ優勝通算4回、2014年世界選手権大会準優勝などを誇る元フィギュアスケーター。現在は、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科博士後期課程に在籍し、アーティスティック・スポーツの研究に取り組んでいる。また、慶應義塾大学、法政大学の非常勤講師も務めている。その他にも、2019年初夏に公開予定の映画『氷上の王、ジョン・カリー』の字幕監修と学術協力を行うなど、研究者として多方面で活動している。

文=エンターバンク

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放送情報

フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋
放送日時:2018年12月11日(火)22:00~【町田樹 前編】
放送日時:2018年12月18日(火)22:00~【町田樹 後編】
チャンネル:J SPORTS 4
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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