「僕が代表にいた頃と比べると非常に羨ましい!」岩政大樹森保監督のマネージメントを絶賛!!キルギス戦分析&アジアカップ展望【動画あり】

2018年11月20日、サッカー日本代表はキリンチャレンジカップ2018でキルギス代表と対戦し、4-0で勝利。スタメン11人をベネズエラ戦から入れ替えた日本は、開始2分に山中亮輔のゴールで先制すると、19分には原口元気のゴールで加点。後半には途中から投入された大迫勇也、中島翔哉がダメ押し点を奪った。

試合終了約15分後より、スカパー!で無料生放送・LIVE配信された「スカサカ!ライブ.net ~キリンチャレンジカップ2018「日本×キルギス」徹底検証~」では、元日本代表DF岩政大樹、サッカーライターの清水英斗の両氏が、視聴者より寄せられた質問にも答えつつ、この試合を徹底的に分析した。

予想通り日本が常に優位に立ちながら4-0で勝利したキルギス戦。まず番組冒頭、二人の間で話題になったのは、森保監督が3バックを試さなかったことだ。

視聴者からの「岩政さん待望の3バック採用の予想、外れましたね?」という質問に、岩政氏は笑いながら「僕は待望してないですよ。森保監督が何を考えているか想像しただけですからね。とはいえ、3バックをここまで一度もやらなかったのは誰が考えても予想外になると思う」とコメント。

さらに清水氏は、サッカー雑誌に掲載されていた『ベルギー戦の終盤、西野監督に3バックを進言しなかったことを後悔している』という森保監督のインタビューを引き合いに出し、「3バックは森保監督のオプションに入っているはずだが、それをやらなかったというのは、(戦術よりも)チームマネージメントを重視しているということだと思う」と語ると、岩政氏も「4年間の中で必ずやるとは思うんで、どの段階でやるか。この段階では4バックの熟成を選んだということだと思う。ただ、アジアカップはかなり試合数が多いが、実際にやらないのかという点は気になる」と、本番で3バックがいきなり採用される可能性には含みを持たせた。

また、清水氏は「選んだ選手全員を試合に使っている」と指摘。これに対し岩政氏は「僕が代表に入った頃は、結構デビューするまで時間がかかったりする時期だったので、非常に羨ましい。そもそもピッチで選手が自分を表現しやすい。固定されているところに数人だけ入っても、今までいた選手たちに合わせなきゃいけないという意識になるが、これだけ選手を使ってくれれば、自分をまず出すことに集中できる」と、森保監督の現時点でのマネージメントを評価した。

キルギス戦の試合内容については、まずは開始2分で代表初出場で初ゴールを決めた山中亮輔選手のことが話題に。清水氏はあまり攻撃に特化したタイプよりバランスタイプのSBを好むという森保監督の言葉を出しつつも、山中選手を攻撃的に前に張らせたのは「アジアカップとW杯との戦いには明確な差異があるなか、山中選手を起用することでアジアカップに向けた(攻撃的な)戦い方をやったのでは」と分析した。

また、岩政氏は序盤は簡単に前線にパスが通ったため攻撃も簡単だったが、徐々にキルギスが前線へのパスコースを遮断し始めたことで日本の攻撃が停滞したと分析。「(キルギスが中を閉めたため)外、外となりがちになって、そこから停滞した。杉本も前線に張って相手DFとバトルしていることが多かった。序盤それでも攻撃がうまくいったからか、監督から指示があったからなのかもしれないが、その形はキルギスにとってはやりやすかったように見えた」と語り、前線の流動性に滞りが見られた点を指摘し、さらにバックライン、中盤でのパス回しも含めて、引いた相手に対する課題が見えたとした。

一度は停滞した日本の攻撃だが、岩政氏は大迫勇也の投入で流れが変わった点も指摘。「彼が入ってすぐに流れがスムーズになりました。また欠かせない存在になってしまったというか」と存在の大きさを語る。南野拓実、中島翔哉、堂安律、そして大迫の4人の連動性が現日本代表の大きな魅力だが、「4人はコンビネーションについて話したりは恐らくしてなくて、大迫が先に動いてそこでボールが収まるんで、収まったところで他の3人が感覚的に入ってるところがある。それがこの短期間で(攻撃の形が)定まった大きな要因だと思う」と大迫の重要性を解説した。

また、ファンの中で意見が分かれる「大迫の代役候補は?」という質問については、杉本健勇も前線に張っているタイプではなく、動いてくるタイプで、うまく指示してあげればできないわけではないと岩政氏はコメントしつつ、「全然違うタイプ。例えばスピードタイプの武藤嘉紀」、「今回辞退となってしまったが、これからクラブW杯などで試合がある鈴木優磨」とも話した。

アジアカップで誰が起用されるかが気になるボランチについても二人は言及。好評価を受けたのが、今年プロ1年目にして代表に招集され、この試合でも先発した守田英正だ。特に岩政氏は「誰かがボールを持っている選手に食付いた際の、彼がカバーに入る一歩目が非常に早い」とカバーリング能力を絶賛する。

清水氏の「守田は柴崎岳と交代かと思ったが、そのまま使われたことで森保監督の期待値が高いことを感じた」という意見には、岩政氏は守備時のベクトルでタイプが分かれると語り、「三竿も柴崎も守備時には前にベクトルがかかるタイプ。このタイプがボランチで並んで二人とも前にボールを取りに行って、スポーンと抜けられるとセンターバックの前が大きく空いてしまう。これに対して守田は、斜めに戻って空いたスペースをカバーする動きができる。(ケガで辞退した)青山もそういう動きができるタイプ」と、守田が追加招集されたのは、森保監督がスペースをカバーする資質を見ているからではと鋭く指摘した。

アジアカップへの展望に話が移ると、視聴者から「岩政さんにCB目線として、ベストの組み合わせは?」という質問が。これに対し岩政氏は「経験値という面でも吉田麻也は欠かせない。彼がいない時の代わりとして槙野智章を森保監督は見ていると思う。そうなるとアジアカップでは、冨安健洋と三浦弦太を予選リーグで1試合ずつ使ってくる可能性もあると思う。呼ばれていない昌子源をどう見ているのかは、ずっと気にはしているが」と語った。一方、清水氏は「三浦は前線へのボール配給にバリエーションがあり、その点は冨安より上。ただ、冨安にはスピードがあり、高さもあり、さらに将来性という面でも魅力」と語り、三浦・冨安両名の長所を挙げた。

また、「ここまで呼ばれていない香川真司、乾貴士はアジアカップに招集されるのか?」との質問に対して岩政氏は「されないでしょう」と即答。「森保監督は、優秀な選手の中でも20代前半を招集していると僕には明確に見える。アジアカップはヨーロッパのクラブからすればシーズン中に選手が持っていかれるという状況。『日本代表のサブに置くために出してください』という強化が通るはずがない。必要なら、出場の可能性があるコパ・アメリカで呼べばいい。信頼があるから逆に今は呼んでない」とした。

「日本代表のジョーカーになるのは」という視聴者の質問については、清水氏は「杉本選手の能力には期待している」としたが、現状ではゴール前でのポジション取りなどに課題を感じると語る。これに対して岩政氏は「彼はヘディングが得意じゃないという意識があると思う。ヘディングの得意じゃない選手が中央で構えて点を取るのは結構難しい。ニアだったら当たれば入るっていうところがある。それで彼は点が増えたのもあると思う。ただ、そろそろバリエーションを増やしてもいい」と杉本のプレースタイルに提言を行った。

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サッカー情報番組「スカサカ!ライブ」
放送日時:毎週金曜日午後9:00〜10:30 <レギュラー生放送>
チャンネル:スカサカ!
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