大谷翔平や菊池雄星は活躍できるのか!?今季のMLBについて多村仁志が語る!

今シーズンも話題豊富なMLB。これからスプリングキャンプに入り、オープン戦を経て、3月末の公式戦開幕へ向け、徐々に加速していく。今年の注目チームや見どころ、日本人選手などについて、J SPORTS「MLB中継」などで解説を務める多村仁志が語ってくれた。

アメリカン・リーグは、昨シーズンのワールドチャンピオンに輝いたボストン・レッドソックスが今年も中心になりそうでしょうか?

「昨年のレギュラーシーズンで108勝をあげ、圧倒的な強さを誇ったレッドソックスは、メンバーがあまり変わっていませんから今年もかなり強いと思います。ベッツ、マルティネスら強力打線の得点力はMLB随一ですし、ポーセロ、プライス、セールらの先発投手陣もしっかりしています。首脳陣と選手のコミュニケーションがよく、一体感があるのもいいですね。いい補強をしたヤンキース、大黒柱のエース・バーランダーを擁するアストロズがレッドソックスに迫る存在だと思います」

田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)、そして埼玉西武から今季シアトル・マリナーズに移籍した菊池雄星ら、日本人選手にはどんなことを期待していますか?

「田中投手はいまやヤンキースのエース格的存在ですから、今年は年間を通して200イニングくらい投げてもらいたい。勝利数を増やすというより、負け数の少ない投手になってほしいですね。昨年、右ひじを手術した二刀流の大谷選手は、今年は打者に専念すると思います。日本の宝ですから無理はしてほしくないですけど、開幕から見たいですね。昨年は326打数で22本塁打、10盗塁でした。フルシーズン打者で出場すれば20本塁打、20盗塁は間違いないでしょう。欲を言えば30本塁打、30盗塁を期待したいですね。菊池投手はメジャーでも十分に通用する実力があると思います。30試合に先発し、180イニング以上を投げ、クオリティスタート(6イニング以上を自責点3以内に抑える)をできるだけ多くしてほしいですね。滑るボール、マウンドの傾斜、長距離移動など、日本と比べて苦労することも多いと思いますが、菊池投手は英語も堪能のようですし、高校卒業時にメジャーか日本プロ野球かを悩んでいたくらいなので、準備は万全で大丈夫だと思います。エンジェルスとマリナーズは同地区で対戦する機会が多いですから、菊池投手と打者・大谷選手の花巻東高校先輩・後輩対決を1試合でも多く見たいと思います」

一方のナショナル・リーグはロサンゼルス・ドジャースが2年連続でリーグ制覇していますが、今年の注目チームは?

「ドジャースは今後の移籍によって変わってきますが、ナショナル・リーグは突出したチームがないと思います。ブレーブス、ナショナルズ、フィリーズ、メッツと実力伯仲で、特に東地区は各チームが補強していて混戦が予想され、おもしろくなりそうです。また、世界最速の169キロを記録しているチャップマン投手(ヤンキース)と、ヒックス投手(カージナルス)のどちらが先に170キロを投げるかにも注目しています」

昨年ワールドシリーズでも活躍した前田健太(ロサンゼルス・ドジャース)、右ひじ故障からの復活を目指すダルビッシュ有(シカゴ・カブス)ら日本人投手はいかがでしょう。

「前田投手は昨年、先発、リリーフとフル回転の働きを見せてくれました。でも本当はポストシーズンに入っても先発一本で使ってほしいですね。ダルビッシュ投手は練習でしっかり腕を振って投げていましたから復活を果たせるはずです。カブスの優勝は、ダルビッシュ投手の右腕にかかっていると言っても過言ではありません。そして昨年、移籍1年目にして日本人シーズン最多の75試合に登板した平野(佳寿)投手(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)もチームの信頼度は厚いですから今年も活躍してくれると思います」

Profile
多村仁志(たむらひとし) 1977年神奈川県生まれ。横浜高校から1995年に横浜ベイスターズへ入団し、走・攻・守そろった長距離打者として活躍。その後、福岡ソフトバンクホークス、横浜DeNAベイスターズ、中日ドラゴンズに在籍し、2006年には日本代表としてWBCにも出場した。2016年に現役を引退し、現在は解説者などを務める。

文=エンターバンク 写真提供:J SPORTS

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放送情報

メジャーリーグ中継2019 【OPENING DAY】
ワシントン・ナショナルズ vs. ニューヨーク・メッツ
放送日時:2019年3月29日(金)1:50~予定
チャンネル:J SPORTS 3
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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