男女とも全種目を演技しての合計得点で争う、個人総合の体操ワールドカップシリーズ。日テレジータスで放送される東京大会の主役は、リオデジャネイロ五輪団体金メダルのメンバーで、世界選手権でも計5個の金メダルを獲得している白井健三だ。
■ひねりを加えた新技を次々に開発した"ひねり王子"
両親が元体操選手で体操クラブを経営し、兄2人も体操をやっていた"体操一家"に育った白井は、幼少時からマットや鉄棒に触れ、自然と天性のセンスが磨かれていった。2011年、中学3年で出場した全日本種目別選手権の床で2位に入り、スーパー中学生出現と注目を集めた。高校生になってからも順調に成長し、2013年の世界選手権で日本男子史上最年少の16歳で日本代表入りを果たす。大会でも大技を次々に成功させ、床で金メダルを獲得。床で披露した後方伸身宙返り4回ひねりは「シライ/グエン」、前方伸身宙返り3回ひねりは「シライ2」、跳馬で成功させた伸身ユルチェンコ3回ひねりは「シライ/キム・ヒフン」と、技の名前に自身の名を刻んだ。王者・内村航平が「ひねりすぎて気持ち悪い」と笑顔で絶賛するほどの、ひねり技を開発していった白井は"ひねり王子"と呼ばれるようになった。
■世界選手権の床と跳馬で金メダルを量産
2015年の世界選手権でも床で金メダルを獲得し、団体戦の優勝にも貢献。そして初出場したリオデジャネイロ五輪では、団体金メダルメンバーの一員となり、種目別の床では4位に終わったものの、跳馬では伸身ユルチェンコ3回半ひねり(のちにシライ2と命名)の大技を成功させ、銅メダルを獲得した。五輪後、床と跳馬のスペシャリストとしての地位を完全に確立した白井は、鉄棒、平行棒、あん馬、つり輪も強化。総合力をアップさせ、2017年の世界選手権では床、跳馬で金メダルに輝き、個人総合でも銅メダルを獲得し、左足の負傷で棄権した内村航平の穴を埋め、体操ニッポンの面目を保った。
■種目別のスペシャリストから個人総合王者へと成長
昨年の世界選手権では床で銀メダル、跳馬で銅メダルに終わり、連覇を逃した白井だが、11月の個人総合スーパーファイナルでは初代王者に輝くなど、床と跳馬だけでなく、総合力はさらに磨かれている。だが、今年3月のワールドカップ・アメリカ大会は、痛めていた左足首が悪化し、体操人生初の棄権という決断をせざるをえなかった。今回のワールドカップ東京大会は、その悔しさを晴らす舞台。2017年世界選手権個人総合銀メダルの林超攀(中国)ら強敵を破っての優勝を狙う。床と跳馬のひねり王子から、全種目をこなすオールラウンダーの体操キングへと着実に成長をとげている白井健三。東京五輪で多数のメダル獲得が期待される日本の新エースに、ワールドカップ制覇を期待だ!
Profile
白井健三 (しらいけんぞう)1996年神奈川県生まれ。五輪と世界選手権で金6個を含む通算13個のメダルを獲得。2013年の世界選手権での男子床最年少(17歳)金メダルと後方伸身宙返り4回ひねり成功はギネス世界記録に認定されている。現在は日本体育大学大学院所属。
文=エンターバンク
放送情報
体操ワールドカップ東京大会 2019
女子完全版~個人総合世界トップが東京に集結
放送日時:2019年4月10日(水)21:30~
体操ワールドカップ東京大会 2019
男子完全版~白井健三が個人総合で世界に挑む
放送日時:2019年4月11日(木)21:00~
チャンネル:日テレジータス
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