日本女子卓球界のエース・石川佳純が中国の牙城を打ち崩す!

ハンガリーのブダペストで開催される「世界卓球2019(個人戦)」。日本勢は男子が張本智和、水谷隼、丹羽孝希ら、女子は石川佳純、伊藤美誠、平野美宇、早田ひならが出場する。注目を集めるのは、10代選手の多いなか、先頭に立ってメダル獲得を目指す26歳の石川佳純だ。

■オリンピックの団体戦で2大会連続のメダルを獲得

7歳から卓球を始めた石川は、小学6年時に出場した全日本選手権で高校生と大学生を破り、"福原愛2世"の天才少女として注目を浴びる。その後、順調に成長した石川は2007年の世界選手権に史上最年少(当時)の14歳で出場。高校2年の時に横浜で開催された2009年の世界選手権シングルスで日本勢最高のベスト8に入り、世界と戦っていく自信をつかんだという。

そして2011年に全日本選手権シングルスで初優勝し、日本の頂点に立った石川は、翌年のロンドン五輪に出場。シングルス3位決定戦で敗れたものの、日本勢史上最高(当時)の4位入賞を果たし、福原愛、平野早矢香とともに出場した団体戦では日本卓球界初となる銀メダルを獲得した。そして2014年から全日本選手権シングルス3連覇を達成し、2016年のリオデジャネイロ五輪では団体戦で2大会連続の表彰台となる銅メダルを獲得と、日本女子卓球界を引っ張ってきた。

■"高速卓球"に対応するためプレースタイルを改革

だが、石川の日本女王の座は安泰ではなかった。平野美宇、伊藤美誠ら10代の若い力が台頭し、2017年からは全日本選手権のタイトルを逃し続けている。そこで、石川は思いきったプレースタイルの改革に挑んだ。卓球のボールがセルロイド製から、回転のかかりにくいプラスティック製に変わったことで、石川が得意としていたフォアドライブは打ち返されることが多くなっていた。それはボールの回転数が減って変化が少なくなったからだ。回転をかけるよりもスピードを重視し、低い弾道で素早く打ち合う"高速卓球"に対応するため、石川は100%木材のラケットから、カーボン素材の入ったラケットへと変更。より速く、より強く、より厳しいコースを狙う練習へと切り替えた。肉体改造にも取り組み、筋力を強化し、パワーだけでなく俊敏性も磨いていった。

その成果は着実に表れており、昨年秋に開幕したTリーグでは最多勝利など個人成績5部門でトップとなり、今年4月のアジアカップでは3大会連続となる銅メダルを獲得した。前回の2017年世界選手権(個人戦)では、吉村真晴と組んだ混合ダブルスで金メダルに輝いている石川。今回は混合ダブルスでの連覇に加え、シングルスで強豪中国勢を破ってのメダル獲得を期待したい。

写真:西村尚己/アフロスポーツ

Profile
石川佳純(いしかわかすみ) 1993年山口県生まれ。157cm。世界選手権は個人戦、団体戦合わせて金1、銀4、銅2と、計7個のメダルを獲得している。世界ランキング(2019年4月)は6位で、過去最高は3位。

文=エンターバンク

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放送情報

世界卓球2019 ブダペスト大会(個人戦)
放送日時:2019年5月1日(水)21:00~ほか
チャンネル:J SPORTS 3
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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