昨年、球団史上初のリーグ3連覇を達成した広島東洋カープ。今季は開幕直後こそ出遅れたものの、5月に11連勝するなど巻き返しを図っている。ペナントレース後半戦も、広島のホームゲームはJ SPORTSで放送。リーグ4連覇、そして日本一を目指す広島で最も注目を集めるのは、不動の4番打者・鈴木誠也だ。
■勝負強い打撃でブレイクし"神ってる"が新語・流行語大賞を受賞
東京・二松學舍大学附属高校出身の鈴木は、高校時代それほど目立った選手ではなかった。投手で4番を務めるも、甲子園出場は果たせず、飛びぬけた成績を残したわけでもなかったが、強肩、俊足は評価されており、内野フライを打ち上げても全力疾走で走る、常に全力プレーのひたむきなスタイルは、高校時代からのものだった。広島からドラフト2位で指名され、2013年に入団した鈴木は徐々に力をつけ、2016年に外野手としてレギュラーの座をつかむ。同年の交流戦、オリックス・バファローズ戦では第1戦と2戦に連続サヨナラ本塁打、第3戦も決勝本塁打を記録。緒方孝市監督が「神がかってますね。今時の言葉でいうなら"神ってる"」とコメントしたことから、鈴木の人気も全国区となり、シーズンオフには"神ってる"が新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた。
■無念の骨折を負った翌年の同じ日に劇的なサヨナラ本塁打を放つ
2016年にチーム25年ぶりのリーグ優勝に貢献した鈴木は、2017年のワールド・ベースボール・クラシックに日本代表として出場。シーズンに入ってからは4番打者に定着し、リーグ2連覇へ向けチームを引っ張っていた。だが、8月23日のDeNAベイスターズ戦、飛球をジャンピングキャッチした際の着地で右足首を骨折してしまう。信条の常に全力プレーが裏目に出てしまい、そのままシーズンを棒に振った。鈴木を欠いたチームはリーグ優勝こそ果たしたものの、クライマックスシリーズではDeNAに下克上を許し、日本シリーズ進出を逃した。翌2018年に戦列復帰した鈴木は、打率.320、30本塁打、94打点と立派な数字を残し、チームをリーグ3連覇に導いた。前年に無念の骨折を負った因縁の8月23日には、東京ヤクルト戦で劇的なサヨナラ本塁打を放ち、まさに"神ってる"男としての勝負強さを示している。
■背番号「1」を継承し、今季は3冠王、そしてトリプルスリーを目指す
今季は背番号が「51」から、かつて前田智徳や山崎隆造がつけていた「1」に変更され、赤ヘル広島の"顔"を継承した鈴木誠也。7月10日現在、打率.310、19本塁打、52打点と、打撃3部門とも上位につけ、3冠王を狙える勢いだ。また、盗塁もすでに13個を記録しており、自身初のトリプルスリー(3割、30本塁打、30盗塁)達成も視野に入っている。チャンスに強い、走れる4番の鈴木が、ペナントレース後半戦もチームを引っ張り、リーグ4連覇へ向け突き進んでいく。
Profile
鈴木誠也(すずきせいや) 1994年東京都生まれ。二松學舍大学附属高校から2013年に広島東洋カープへ入団。2016~2018年にベストナイン、2016・2017年にゴールデングラブ賞、2018年に日本シリーズ敢闘賞などを受賞している。
文=エンターバンク
放送情報
J SPORTS STADIUM2019
「広島 vs. 中日」
放送日時:2019年7月23日(火)17:55~ ほか
チャンネル:J SPORTS 1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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