皆川夏穂、世界新体操で日本のエースとしての力を見せられるか?

皆川夏穂選手
皆川夏穂選手

開幕まで1年を切り、徐々に日本代表の内定が決まり始めている東京五輪。テレ朝チャンネル1、2にて9月19日(木)・20日(金)に放送される「世界新体操アゼルバイジャン・バクー2019」でも、五輪出場枠をかけた熱い戦いが繰り広げられる。

新体操の2大世界大会の一つである今回の「世界選手権」は、その結果いかんによって、東京五輪に出場できる人数が決定する重要な大会。個人総合で16位以内に入れば、日本は最大2枠を獲得できる。長年、団体競技に重きが置かれてきた日本新体操界にとって、個人競技での"2枠"は大いなる意味を持つ。日本のエース・皆川夏穂、急成長中の大岩千未来、怪我から復活を果たした喜田純鈴の3名が日本代表として出場するなか、やはり期待がかかるのが、過去にも世界選手権で好成績を収めている皆川だ。

4歳から新体操を始め、2011年度、2012年度の全国中学校選手権、全日本ジュニア選手権ともに連覇を果たすなど、圧倒的な実力を誇っていた皆川。中学を卒業すると、2013年からは特別強化選手としてロシアへ派遣されることになる。

ロシアといえば、個人総合、団体ともに2000年のシドニー五輪以降、金メダルを独占してきた新体操最強の国。国内では敵なしだった皆川ですら、美しく見せるための動きを基礎から徹底的に叩き込み直されたという。コーチはマンツーマン、リオデジャネイロ五輪金メダリストのマルガリータ・マムンら、トップ選手の演技を間近でみることができる恵まれた環境の中で、バレエ漬けの青春時代を送った彼女は、技術的にも精神的にも成長していった。

成績の面でも、初出場となった2013年の世界新体操では予選敗退に終わったものの、2014年は23位、2015年は15位に入るなど着実にステップアップ。個人競技としては実に3大会ぶりとなるリオ五輪出場の"1枠"を獲得した。五輪では16位と予選敗退に終わったが、翌年の世界新体操ではフープの種目で3位に入り、日本勢では42年ぶりとなる個人のメダル獲得という快挙を達成するまでになったのだ。

2018年には、これまで最高10点だったDスコア(難度)の上限が撤廃されるというルール改正が入り、アクロバティックな技を詰め込むような演技が優位になった。皆川の持ち味といえば、170cmの長い手足から繰り出されるロシア仕込みのエレガントな表現力。ある意味、逆風ともいえるルール改正の中で、昨年は成績が振るわない時期もあったが、今年2月のモスクワ・グランプリのフープの種目で銅メダルを獲得するなど、またその調子を上げてきているのだ。

個人総合でも今年の世界大会では安定して16位以内には入っており、今回の世界新体操でも、活躍が大いに期待される皆川。ロシアで磨いた美しく表現力豊かな演技と何度も困難と向き合ってきた精神力で、リオ五輪に引き続いての五輪の切符を掴めるのか注目したい。

文=HOMINIS編集部

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放送情報

世界新体操アゼルバイジャン・バクー2019
個人決勝
2019年9月19日(木)23:00~(テレ朝チャンネル2 ニュース・情報・スポーツ)
個人総合決勝
2019年9月20日(金)22:30~(テレ朝チャンネル1 ドラマ・バラエティ・アニメ)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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