岸大貴、森ひかるらに期待大！「世界トランポリン」で決まる五輪代表の行方

東京五輪に向け、各競技で出場枠をかけた戦いが本格化し、代表内定者が続々と決まりはじめている昨今。11月29日(金)、30日(土)にテレ朝チャンネル2にて生中継される「世界トランポリン東京2019」のトランポリン競技も熾烈な争いが繰り広げられている種目の一つだ。

トランポリン競技は、縦4.28m×横2.14mの"ベッド"と呼ばれる弾力性の強いシートの反動で高く跳躍し、アクロバティックな演技で、「美しさ」「難しさ」「高さ」を競う採点競技。技の出来映えを見る演技点と、回転とひねりの数で算出する難度点、滞空時間を計測する跳躍時間点、どれだけトランポリンの中心で演技を行うかを評価する移動点を加算し、それらの合計得点で順位を競い合う。個人、シンクロ、団体といった種類があるが、オリンピックの種目となっているのは個人のみだ。

日本勢はトランポリンが正式種目となった2000年のシドニー以来、五輪でのメダル獲得は達成できていないものの、世界トランポリンでは10大会連続でメダルを獲得中。東京五輪でのメダル獲得が悲願ともいえる競技だ。五輪には男女とも各国最大2名まで出場することができ、今回の「世界トランポリン東京2019」で決勝に進出した8名が、その"出場枠の1つ"を獲得(同国で複数進出の場合は、最上位者)。そして、日本は出場枠を獲得した選手が"東京五輪代表内定"が与えられることになっている。さらに五輪本番の会場である有明体操競技場で行われるため、東京五輪のシミュレーションという意味でも重要な大会となっているのだ。

そこで気になるのが日本の有力選手たち。男子の注目は、岸大貴。姉と弟もプレイヤーというトランポリン一家で3歳から競技を始め、大学生時代にはインカレで個人・シンクロ・団体・学校対抗の4冠達成をはじめ輝かしい成績を収めてきた岸。彼の強みは、技の種類よりも完成度で、「トリフィス」と呼ばれる三回宙返りを冒頭から何回も繰り返し行う姿は圧巻だ。また、安定力も世界で戦う大きな武器となっており、今シーズンもワールドカップで銅メダルに輝くなど好成績を残している。

女子は、昨年の世界トランポリンのシンクロで日本女子史上初の金メダル＆個人5位入賞の森ひかるが有力だ。2013年に当時14歳で全日本選手権個人に出場し、史上最年少で優勝を果たすなど、約5mにも達する世界トップクラスのジャンプの高さを武器に好成績を残してきた。今年は、演技の構成を新しくすると、6月に行われた世界トランポリン代表最終選考会で自己最高得点を叩き出し、9月に行われたW杯第3戦では銀メダル獲得と好調をキープしている。

このほか、男子では世界トランポリン初出場となる若手の海野大透や、先日の全日本選手権を制した堺亮介らに注目。また、女子では森と共にシンクロの金メダリストとなった宇山芽紅や、岸大貴の姉で2017年の世界選手権銀メダリストの岸彩乃など実力者が勢ぞろい。果たしてどの選手が五輪内定を決めることになるのだろうか――。

文＝HOMINIS編集部

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