アジアの若手選手の育成を目的に、2012年から台湾で開催されている「アジアウインターベースボールリーグ」。今年は、各チームから選抜されたNPBの2チーム、NPBホワイト(巨人、阪神、中日、横浜DeNA、千葉ロッテ)、NPBレッド(東京ヤクルト、福岡ソフトバンク、埼玉西武、楽天イーグルス、オリックス)に、台湾、韓国のプロ野球選抜チーム、台湾の味全ドラゴンズ、日本の社会人野球所属選手で構成されたJABA選抜の計6チームが出場。11月23日(土)から12月15日(日)まで、計56試合が開催され、11月23日(土)のNPBレッド×JABA選抜の開幕戦がJ SPORTS 2で生中継されるのを皮切りに、各局で計24試合が放送される予定だ。
打者で最注目は、昨年のドラフトで4球団から1位指名され、大阪桐蔭高校から中日に入団した大物ルーキーの根尾昂。春季キャンプ前に右足ふくらはぎに肉離れをおこし、今季は2軍生活が続いたが、シーズン最後にようやく1軍へ昇格した。同じショートのポジションには2017年の新人王・京田陽太がいるため、秋季キャンプでは外野守備に挑戦し、見事な強肩ぶりを発揮している根尾。巧みなバットコントロールで広角に打ち分けるシャープなバッティングで、来季のレギュラー取りへ名乗りをあげる活躍を見せたい。また、早稲田実業高校では先輩・清宮幸太郎(現北海道日本ハム)とクリーンアップを形成し、昨年のドラフト3位で福岡ソフトバンクに入団した野村大樹の鋭いスイング、立正大学からドラフト2位で横浜DeNAに加入し、今季4本塁打を放っている伊藤裕季也の長打力も見逃せない。そして、昨年の育成ドラフト1位で巨人に入団し、イースタンリーグで首位打者(打率.332)を獲得した山下航汰も大器。高卒ルーキーでファームの首位打者に輝いたのは、1960年の中日・高木守道、1992年のオリックス・鈴木一朗(イチロー)以来、27年ぶり3人目の快挙だけに将来への期待は大きい。
投手では、2017年のドラフト1位でヤマハから中日に入団した鈴木博志が注目株の筆頭。昨年はルーキーながらチーム最多の53試合に登板し、今季は開幕から抑えを任され、途中離脱はあったものの、チーム最多の14セーブをマークした。150キロ台の速球で押しまくる、気迫のこもった投球でポテンシャルの高さを見せつけたい。また、阪神の2017年ドラフト1位・馬場皐輔、東京ヤクルトの昨年ドラフト1位ルーキー・清水昇は、期待度が高いだけに、変化球の制球力に磨きをかけ、来季のプロ初勝利につながる投球を披露したいところだ。ほかにも、今季のウエスタンリーグで5勝をあげ、防御率3.84で3位だった東晃平(オリックス)、ルーキーイヤーの2018年に1軍で3勝をマークした伊藤翔(埼玉西武)など、魅力を秘めた投手が数多くそろっている。
過去には、山田哲人(東京ヤクルト)、岡本和真(巨人)、上林誠知(福岡ソフトバンク)、吉田正尚(オリックス)、岩貞祐太(阪神)、田中和基(楽天イーグルス)、村上宗隆(東京ヤクルト)などが出場し、翌年以降に飛躍するきっかけをつかんだ「アジアウインターベースボールリーグ」。今年も若手の登竜門として、日本の有望選手たちの活躍に期待したい。
文=エンターバンク
放送情報
2019アジアウインターベースボールリーグ in 台湾
放送日時:2019年11月23日(土)13:00~ ほか
チャンネル:J SPORTS 2 ほか
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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