16歳のアリョーナ・コストルナヤ、アイスショーでも見せる新女王の貫禄

フィギュアスケートグランプリシリーズの全大会で優勝するという旋風を巻き起こした女子のロシア勢。中でもGPファイナルでは1～3位がすべてロシア勢という圧倒的な強さを発揮したが、表彰台の頂点に立ったのがアリョーナ・コストルナヤだ。今後の活躍がますます期待される彼女が出場したアイスショー「ボルツァーノ パッションガラ」が、2月16日(日)にテレ朝チャンネル2にて放送される。

現在16歳でコストルナヤは、昨シーズンまではジュニアの舞台で戦っており、ジュニアGPのファイナルでトップに輝くなど並外れた強さを発揮。今シーズンからシニアクラスに転向し、勢いそのままにGPシリーズで第3戦の「フランス国際」第6戦の「NHK杯」で優勝した。そしてGPファイナルでは、同じく今年からシニア転向したアレクサンドラ・トゥルソワ、アンナ・シェルバコワとのロシア勢のハイレベルな争いを制し、見事に金メダルを獲得。GPシリーズ出場試合で全て優勝という成績を残した。

そんなコストルナヤの武器は、正確無比で美しい完成されたトリプルアクセルと16歳とは思えない豊かな表現力だ。GPファイナルでも、トゥルソワとシェルバコワが4回転ジャンプを武器に戦うなか、4回転ジャンプを持たないコストルナヤは、観客の心に訴えかけるような演技力、シニア転向1年目ながら難しいつなぎを巧みに織り交ぜ、シニアトップクラスの選手に引けを取らない演技構成で他を圧倒。さらに12月に行われた「ロシア選手権」のショートプログラムでは、89.86点という高得点をたたき出し、非公式ながら自身のもつ世界最高記録85.45点を上回り、改めて世界に衝撃を与えた。

年明けにイタリア・ボルツァーノで開催された「ボルツァーノ パッションガラ」で、エリザベータ・トゥクタミシュワ、ハビエル・フェルナンデスらといった豪華なスケーターたちと共に出演したコストルナヤ。表現力の高さが魅力の彼女らしく、体の先まで使った繊細かつ優雅で堂々としたスケーティングで観客を魅了した。

ショーならではの幻想的かつ遊び心のある演出も見逃せない。コストルナヤは2種類のプログラムで、どちらも小道具を使った演技を披露。ステッキを使った演技ではどこか軽快な印象を、マントを纏った演技ではミステリアスな雰囲気を抱かせる、普段の試合とはひと味違う一面を覗かせ、表現の幅の広さを見せつけている。

また、2019年の12月にドイツ・インゴルシュタットで行われた「ICE GALA 2019」の模様も同チャンネルで2月23日(日)に放送される。このショーはフィギュアスケートとライブミュージックが一度に味わえる"氷上コンサート"と呼ぶにふさわしい内容。羽生結弦が尊敬する"皇帝"エフゲニー・プルシェンコをはじめ、ヨーロッパチャンピオンペアであるバネッサ・ジェームス＆モルガン・シプレ組などのトップスケーターたちが出演している。

2月には「四大陸選手権」が、3月には「世界選手権」が開催され、2019-2020シーズンも佳境を迎えるフィギュアスケート。その行方もさることながら、普段の試合の姿とは異なり、伸び伸びとした選手たちを見ることのできるアイスショーには、フィギュアスケートの魅力が凝縮されている。

文＝HOMINIS編集部

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