「まだまだ進化していけたら」オリックス・バファローズ 山本由伸投手の飽くなき向上心

プロ野球2020年シーズンが3月20日(金・祝)より開幕する。セ・リーグでは、昨シーズン5年ぶりにリーグ優勝を果たした読売ジャイアンツの連覇が、パ・リーグでは14年ぶりに松坂大輔投手が復帰した埼玉西武ライオンズがリーグ3連覇が懸かり、例年以上に注目が集まっている。さらに、東京オリンピックの影響で23日間の休止がチームにどんな影響を与えるかなど、プロ野球ファンのみならず人々の関心が寄せられているシーズンだ。J SPORTSでは、今シーズンもオリックス・バファローズ主催のゲームを全試合生中継する。

2016年のドラフト会議でオリックス・バファローズから4位指名を受け入団し、2019年には防御率1.95という圧巻の成績を収め「最優秀防御率」のタイトルを獲得。さらに、第2回WBSCプレミア12の日本代表に選出されるなど、今後の日本球界をけん引するであろう山本由伸投手が昨シーズンを振り返るほか、2020年シーズンに向けた意気込みを語ってくれた。

――タイトルを獲得した昨シーズンはいかがでしたか？

「昨年の今頃は『ローテーションに入って1年間回れるかな』と不安に思いながらとにかく必死に頑張ったので、その結果が出て良かったです。自分から先発を希望していたぶんプレッシャーもあったのですが、1年目のオフからしっかり準備をしたので、その成果が出たのはうれしかったですね」

――防御率のタイトルを獲得したことは大きな自信になったのでは？

「そうですね。1試合1試合を丁寧に積み重ねた結果だと思うので、本当にうれしかったです。特に印象深いのは、開幕して自分の初登板の試合です。抑えることができてほっとして、『ちゃんとコンディションを整えて挑めば勝負になるんだな』とちょっと自信がついた試合だったので」

――1年目から一軍のマウンドを経験し、2年目、3年目と着実にステップアップしてきているように思いますが、ご自身はどう思っていますか？

「1年目で(一軍の試合を)5試合経験させてもらって、そこで『駄目だな』と気付けて長く投げられるようになったので、(当時の監督で現在GMの)福良(淳一)さんや投手コーチの方々などの環境がすごく良かったなと思います。ピッチャーとしてまだこれからだと思うので、まだまだ進化していけたらと思っています！」

――昨年、「侍ジャパン」の一員として世界と戦った期間はいかがでしたか？

「本当にトップ選手の中でやらせてもらって、とにかく毎日わくわくしていました。小学生の時に、高学年の先輩たちと一緒に野球をやるようなわくわく感だったので、とにかく楽しくていい期間だったと思います。(「侍ジャパン」の選手たちの)試合前の準備や切り替えを見て、『一流選手にはプレー以外に一流の理由があるんだ』と感じて、そういった姿はすごく刺激になりました」

――理想のピッチャー像は？

「負けない最強のピッチャーになりたいと思っています」

――シーズン中に心掛けていることは？

「1週間に1回の登板なので、試合じゃない日の過ごし方がそのまま試合に出たりするので、私生活も大事にするようにしています」

――気分転換に行っていることは？

「毎週ではないのですが、たまに買い物に行きます。山岡(泰輔)さんだったり榊原翼と行くことが多いのですが、なかなか休みが合わないので1人でランチをしたり"1人焼き肉"に行ったりと、なんでも1人でできるようになりました(笑)」

――さまざまな経験を経て挑む今シーズンから背番号が「18」に変わりましたが、背番号に対する思いは？

「やはり特別な背番号なので、18番という番号をオリックスのエースナンバーにできるよう、自分がしっかりと成績を残し続けたいと思います！」

――今シーズンへの意気込みは？

「昨年は勝ち星がとにかく少なかったので、今年は勝ち星をたくさん上げてチームに貢献してシーズン終盤には優勝争いをして、終わった頃には優勝できているように頑張りたいです」

――プロ野球ファンにメッセージをお願いします！

「みんなが見ていてわくわくするようなピッチングをしたいので、そのためにも僕はもっともっとパワーアップするので、テレビで見るのもいいですが球場にも来てほしいです。今シーズンもしっかり投げて全部勝つ気でいきますので、ぜひ応援よろしくお願いします！」

Profile
山本由伸(やまもとよしのぶ)　1998年岡山県生まれ。2016年のドラフト会議でオリックス・バファローズから4位指名を受け入団。2019年にはリーグトップの防御率で最優秀防御率のタイトルを獲得するほか、第2回WBSCプレミア12の日本代表として大会初優勝に貢献。

文＝原田健　取材・写真提供＝J SPORTS

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