新型コロナウイルス感染拡大防止のため、延期されていたプロ野球公式戦が、いよいよ6月19日(金)に開幕。今年も北海道日本ハムファイターズの主催ゲームは、GAORA SPORTSの「GAORAプロ野球中継(ファイターズ)」で生中継中心に放送されるが、そんな4年ぶりのリーグ優勝を目指す北海道日本ハムを引っ張るのは、昨シーズン最多勝投手に輝いたエースの有原航平だ。
■高校、大学とエリート街道を進み、北海道日本ハムへ
広島県広島市出身の有原は、小学2年で野球を始め、高校は県下の名門・広陵高校へと進んだ。2年の秋にはエースとなり、3年時の選抜高校野球大会に出場。4試合に先発登板し、チームをベスト4進出に導いた。その後、右ひじを痛め、3年夏の県予選は登板を回避。出場を果たした甲子園では満を持して初戦に先発するも、聖光学院(福島)の歳内宏明(昨年まで阪神に所属)と投げ合い、自らの暴投で1点を失い、惜しくも敗れている。
高校卒業後は早稲田大学へ進学し、1年の春には早くも東京六大学野球デビュー。2年時には抑えとして全日本大学選手権優勝に貢献し、3年時の秋には最優秀防御率のタイトルに輝き、4年時の春にはベストナインに選ばれるなど、順調に成長を遂げ、大学通算19勝を挙げた。そして大学ナンバー1投手として注目された2014年のドラフト会議で、DeNA、広島、北海道日本ハム、阪神の4球団から1位指名を受け、当たりくじを引き当てた北海道日本ハムへ入団した。
■新人王でプロのスタートを切り、昨年は最多勝を獲得
プロ1年目の2015年は、開幕こそ2軍スタートだったが、5月には1軍へ昇格し、オリックス戦でプロ初登板、初先発、初勝利を挙げた。9月には初完封もマークしシーズン8勝6敗の成績で、新人王に輝いた。その後、2016年は11勝、2017年は10勝と2年連続2ケタ勝利を挙げ、2018年は右肩故障の影響で8勝にとどまったものの、着実にチームのエースとしての地位を築いてきた有原。
大きな飛躍を遂げたのは昨年だった。開幕3戦目に初登板し勝利すると、3月、4月は5試合に先発して4勝0敗、防御率0.51という見事なスタートを切り、月間MVPを受賞した。その後もチームの先発陣に故障者が多く出る中、ローテーションを守って安定した投球を続け、キャリアハイとなる15勝8敗、防御率2.46という成績を残し、最多勝利投手の初タイトルを獲得した。
■多彩な球種を駆使した投球術で今季は20勝以上を狙う
昨年、有原が好成績を残した要因は、2つの球種にある。まず、プロ2年目以降、死球を怖れて封印していたツーシームだ。右打者のインコースへ、150km近いスピードで鋭く沈む、改良されたツーシームが球種に加わったことで、投球術の幅が大きく広がった。また、ウイニングショットでもあるチェンジアップの割合が、前年の倍以上に増加。空振り率が上昇し、奪三振数は自己最多の161個をマークしている。これ以外にも、ストレート、スライダー、カーブ、フォーク、カットボールと、多彩な球種を誇る有原。
今シーズンも金子弌大、加藤貴之ら先発投手陣を引っ張るローテーションの大黒柱となるのは間違いない。20勝を超えることを目標にしてほしいという願いを込め、2月"21"日の2時"21"分に、栗山英樹監督は、今シーズンの開幕投手に有原を指名した。開幕こそ延期になったが、大事なオープニングゲームには1月に結婚し、エースの自覚も芽生えた有原航平がマウンドに立つはずだ。そして20勝以上を目指し、昨年以上に勝星を積み重ねていく姿に期待が高まる。
文=田口裕(エンターバンク)
放送情報
GAORAプロ野球中継(ファイターズ)
放送日時:2020年6月30日(火)17:30~
チャンネル:GAORA SPORTS
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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