例年とは異なる120試合という、短いシーズンを折り返したプロ野球ペナントレース。フジテレビTWOの「LIONS BASEBALL L!VE 2020」で主催試合が全試合完全生中継されている埼玉西武ライオンズは2年連続でパ・リーグ優勝を果たしており、3連覇へ向けて上位進出を狙う。その鍵を握っているのが、盗塁王2回を誇る金子侑司だ。
■スピードを生かして中学でスイッチヒッターに
球界トップクラスの俊足を誇るスピードスターの金子は、小学生の時から陸上100mの京都代表に選ばれるほど足が速く、野球でもスピードを生かし、中学で既にスイッチヒッターになっていた。立命館宇治高校では甲子園に出場できなかったものの、強打の遊撃手として活躍し、立命館大学に進学。1年春から関西学生リーグに出場し、2年春には遊撃手のベストナイン、3年時には日米大学野球選手権の日本代表に選ばれるなど、着実に成長し、西武からドラフト3巡目に指名を受けて入団した。
■足の速さと磨き抜かれた技術で2度の盗塁王を獲得
プロ入り後は外野守備にも挑戦。ルーキーイヤーの2013年は開幕戦に右翼手として初出場し、初安打も放つ好スタートを切った。金子がブレークしたのは2016年。自慢の快足を飛ばして盗塁を積み重ね、糸井嘉男(当時・オリックス、現・阪神)と並び53個で初の盗塁王を獲得した。その後、けがの影響などもあり、納得のいく数字は残せなかったが、昨年は自身最多の133試合に出場し、41個で2度目の盗塁王に輝いている。
金子の盗塁技術は、単に足が速いだけではない。リードを思い切って多く取り、人工芝に両足を掛けて摩擦力を増やし、スタートダッシュを決めている。また、「走るぞ、走るぞ」と見せて投手にプレッシャーを掛け、警戒して配球がストレート中心になったところを味方の強力打線が打つなど、打者へのアシストという面でも貢献している。
■走攻守に「華麗奔放」なプレーで完全復活へ!
今季の西武は8月に7連敗を喫するなど、優勝争いからやや離されている。なかなか波に乗れない最大の要因は1番打者が固定できないことだろう。昨年まで不動の1番として活躍した秋山翔吾がメジャーリーグのレッズへ移籍し、その穴を埋めるのに苦労している。金子がポスト秋山として期待されたが、打撃の不調、そして首の負傷で7月に1軍登録を抹消され、40日間も戦列を離れてしまった。1番打者は新外国人のスパンジェンバーグ、若手の鈴木将平らが務めているが、思うような結果は残せておらず、金子の1番復活に掛かる期待は大きくなっている。
1軍復帰後は6試合連続安打を放ち、8月18日のオリックス戦ではワンバウンドしたボールを打ってヒットにする、自身2度目の離れ業をやってのけるなど、徐々に調子は上がっている。金子が攻守にフィールドを駆け回り、自身の好きな言葉「華麗奔放」なプレーを繰り広げて、チームを浮上させられるか注目だ。
文=田口裕(エンターバンク)
放送情報
LIONS BASEBALL L!VE 2020
放送日時:2020年9月10日(木)17:50~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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