競泳・池江璃花子、競技会出場という"奇跡"に心が揺さぶられる理由とは

池江璃花子選手
池江璃花子選手

白血病を乗り越え、奇跡の復活を果たした競泳・池江璃花子。練習再開してからまだ間もない頃より、"目標"に掲げていた「インカレ水泳2020」への出場も確定した。そんな彼女の出場により、例年以上に注目が高まっている同大会の模様が、テレ朝チャンネル2にて、10月1日(木)より生中継される。

■高校生にしてトップ選手に上り詰めた池江選手、その壮絶な復帰への道のり

16歳で初出場したリオデジャネイロ五輪では、日本選手最多の7種目に出場し、翌年の日本選手権では女子初となる5冠を達成するなど、高校生にしてすでにトップ選手にまで上り詰めていた池江選手。圧巻だったのは、2018年にジャカルタで行われたアジア大会。彼女は、史上初となる6冠を達成し、大会のMVPにも選出された。東京五輪への期待がいよいよ高まってきた2019年――自身のTwitterで白血病を公表したのが2月12日のことだった。

「神様は乗り越えられない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています」といったメッセージをTwitterで発信し、闘病生活に入った池江選手。入院後、初めて公の場に姿を見せた昨年9月のインカレでは、母校・日本大学の仲間に笑顔で声援を送る場面も。一時退院を許可され、自らの強い希望でスタンドに駆けつけたという姿からは、仲間との絆や競泳への深い想いを感じさせた。

■驚異的なタフネス!約1年7ヶ月ぶりの復帰レースで「目標」への切符を掴む

「インカレ水泳2020」への目標を明かしたのは、本格的な練習再開からさほど日数が経っていなかった7月2日。昨年12月に退院して以来初の公開練習に臨んだ際のインタビューでのことだった。同大会への出場用件を満たすため、8月29日に行われた東京都特別水泳大会の女子50m自由形で、約1年7ヶ月ぶりのレースに挑んだ。

結果は26秒32という全体5位のタイム。自身の持つ日本記録には2秒ほど及ばなかったが、「インカレ水泳」の参加標準記録26秒86を堂々クリアした。彼女が泳いだ第5組では、本人も予想すらしていなかったという1着でのゴール。この復帰レースの様子は多くのメディアでも報じられたが、その後プールサイドで感極まって涙する姿に、胸を熱くした人も多かったのではないだろうか。

■ありのままの姿をさらけ出し、自ら"奇跡"を起こす池江選手の姿に日本中が注目

「第二の水泳人生の始まり」――復帰レース後にそう明かした池江選手。そして満を持して迎える次なる舞台が「インカレ水泳2020」だ。同大会は今年96回を数える大学日本一決定戦で、過去にも多くの名勝負を生んできた日本競泳会にとっても重要な大会である。昨年はスタンドから見つめた大会に、池江選手は並々ならぬ決意をもって挑むはずだ。

闘病中の想像を絶する辛さや、回復過程のベリーショート姿といった"ありのままの姿"をさらけ出し、常に自分らしい言葉でその心境を発信し続けてきた池江選手。折しも世間はコロナ禍で暗いニュースに支配されていただけに、彼女の逞しさとポジティブさは大いに称賛されるべきだし、多くの人たちに勇気と感動を与えたことは疑いない。

最大の目標に掲げるパリ五輪へ向けて、着実な一歩を歩み始めた池江の活躍を日本中が見つめていることだろう。「インカレ水泳2020」は、確実に特別な大会となる。

文=渡辺敏樹(エディターズ・キャンプ)

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放送情報

インカレ水泳2020
放送日時:2020年10月1日(木)15:00~ほか
チャンネル:テレ朝チャンネル2 ニュース・情報・スポーツ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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