極限まで鍛え上げられた筋肉の大きさ、バランス、美しさなどを審査するスポーツ、ボディコンテスト。日本でも近年、人気が高まっており、11月14日(土)には、東京・ベルサール新宿グランドで開催される「IFBB Professional League Japan National Pro Qualifier」が、スカパー!オンデマンド限定の「フィットネスチャンネルFWJ」でライブ配信される。そんなボディコンテストの競技種目であるボディビルの日本の第一人者が山岸秀匡だ。12月にボディビル世界最高峰の大会「ミスター・オリンピア」を控える彼に、自身のこれまでや大会に向けての意気込みなどを聞いた。
――ボディビルを始めたのはいつからですか?
「高校まではラグビーなど、いろいろなスポーツをやっていました。大学に入って何のスポーツをやろうかなと思った時、バーベルクラブというのがあって、以前から筋肉トレーニングをするのは好きだったので入りました。最初はボディビルのことは全く知らなかったのですが、いきなり関東大学選手権に出て、ポーズをとって歓声を浴び、これは自分のやるスポーツだなと思いましたね」
――これまでに出場した大会で印象に残っている大会は?
「アマチュアの時は、2001年のアジア選手権での優勝が印象に残っていますね。大会は韓国の釜山で行われたのですが、地元の韓国の選手と優勝を争って勝ちました。アジアで一番大きな大会で優勝できたことは、自信になりましたね。プロになってからは、優勝したアーノルド・クラシックも嬉しかったけど、最初に出たオリンピアの大会が思い出に残っています。初出場ということで何もプレッシャーを感じずに臨めたので、とても楽しめました。順位も13位と、初出場の割りに悪くなかったんですよ」
――今シーズンはコロナ禍ですが、トレーニングに影響は出ていますか?
「ロックダウンになってすぐ、スポンサー契約させていただいているエヴォルギアさんから、トレーニング器具を送ってもらっていました。また、いつもトレーニングさせてもらっている、専門学校のオーナーのジムを続けて使わせていただき、他の人がいない貸し切り状態だったので、集中してトレーニングできています。むしろいつもの年より、いいトレーニングができていると思いますね」
――12月に出場するミスター・オリンピアでの目標は?
「今回は10回目のオリンピア出場で、節目の年です。もちろん自分はどんな大会でも優勝を目指して出場するのですが、昨年の8位は上回りたいですね。昨年は体を絞ってサイズを犠牲にしたので、今年はサイズを上げていけば戦えると思います。オリンピアに出てくる選手はみんなチャンピオンですから、誰が優勝してもおかしくありません。ただ、ボディビルは他の選手を意識しだすときりがないので、自分の持っているべストのパフォーマンスを出すことに集中していきます。これからさらにトレーニングを積んで、昨年よりもいい状態で臨めれば、それだけでも満足ですね」
――ボディビル初心者は、どんなところに注目すると大会をより楽しめますか?
「正面から見た時は、大胸筋と腹筋のいい選手が目立ちます。でも、歴代のオリンピアで言われているのは、背中が発達している選手が優勝する可能性が高いということ。ですから正面だけでなく、バックを見せた時の背筋のすごさや、全身の筋肉のバランスなどに注目してみると、面白いと思います」
――11月14日(土)にライブ配信される「IFBB Professional League Japan National Pro Qualifier」で期待されることは?
「日本人と、米軍など日本に居住権のある選手のみが出場できる大会です。日本一を決める大会で、優勝者にはプロのライセンスが交付されることもあり、ハイレベルで盛り上がる大会になると思います。日本にもプロ選手が出てきましたし、次の世代を担う若い選手の活躍に期待しています」
山岸秀匡(やまぎし ひでただ)プロフィール
1973年6月30日生まれ。北海道帯広市出身。早稲田大学で本格的にボディビルを始め、2002年にプロボディビルダーとなる。2007年からミスター・オリンピアに出場し、2015年には3位入賞。また、アーノルド・シュワルツェネッガーが主催するアーノルド・クラシックでは2016年に日本人初優勝を果たしている。
文=田口裕(エンターバンク)
配信情報
11.14 IFBB Professional League Japan National Pro Qualifier
配信期間:11月14日(土)11:26~
チャンネル:フィットネスチャンネルFWJ
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