パ・リーグ 千葉ロッテマリーンズ 井上晴哉選手が、10月・11月度の「スカパー!サヨナラ賞」を受賞した。この賞は、その月の全サヨナラ試合の中で、最も劇的なサヨナラ打を放った選手を称えたもの。
井上選手は、10月13日ZOZOマリンスタジアムで行われた対東北楽天ゴールデンイーグルス19回戦、同点で迎えた9回裏1死1塁の場面で右中間を破るサヨナラ二塁打を放った。
首位福岡ソフトバンクを猛追し、負けられない戦いが続く千葉ロッテだが、この試合は5回を終えて0対3とリードを許す苦しい展開となった。しかしここから粘りを見せ6回以降1点ずつ返し8回を終え3対3の同点に追いつく。そのまま同点で迎えた9回裏、1死から福田秀選手がレフト前へ安打を放ち出塁すると、井上選手が打席に立つ。10月上旬に新型コロナウイルス感染のため主力選手が多数離脱した千葉ロッテの中で、残された主力としてチームを引っ張って来た井上選手だが、打撃状態は下降線を辿っていた。この試合の打順は、長く任されていた五番から七番に下がり、ここまで3打数無安打と苦しい状況であったが、カウント0-1からの2球目を振りぬくと打球は右中間を真っ二つ。スタートを切っていた一塁走者の福田秀選手の激走もあり、劇的なサヨナラ勝利となった。二塁ベース上で仲間からもみくちゃにされた井上選手の目には涙が溢れていた。
井上選手のサヨナラ打は通算3本目。初のスカパー!サヨナラ賞受賞となった。
――今回の「スカパー!サヨナラ賞」受賞の感想をお願いします。
「この度は、こういった賞を頂き、ありがとうございます。僕自身、サヨナラヒットという勝利に直結する一打を打てるということを光栄に思いますし、常に勝つことを考えてプレーしているので、本当にいいところが出て、それを表彰してもらって嬉しく思っています」
――今回受賞の決め手となったサヨナラ打を振り返ってみるといかがでしたか?
「主力が抜けたこともあり、試合に出ている自分たちがしっかりしなきゃいけない、試合に勝ちたいっていう気持ちが出ました。自分の調子があまり良くないところではあったので、本当に気持ちで打ったという感じですね」
――今までの打席とは違う"想い"などありましたか?
「この打席に関しては、"行くぞ"っていう気持ちで心に決めていました。その前の打者・福田秀平さんがヒットで出てくださったので、そこで気合が入ったっていう感じです。最後に秀平さんがホームで迎えてくれたっていうのが一番嬉しいですね」
――ヒーローインタビューでは、感触を覚えていないとのことでしたが、改めて思い返すといかがですか?
「あれは僕の技術で打ったという感じではなくて、本当に気持ちで打ったっていう打席でした。感触っていうのはぶっちゃけ、手に感じたっていうぐらいだったので...技術的には述べられないですけど、気持ちっていうだけです」
――仲間が駆け寄ってきてくれて、井上選手の涙が見られましたが、その涙にはどういった想いがありましたか?
「(主力選手の)みんなが抜けてチームが苦しい状況で、勝てない試合もありましたし、自分が足を引っ張ってきたっていうのもちょっと責任を感じていたところで、サヨナラヒットっていう形で決められた。それを考えれば考えるほど震えてきて、"俺、やったんだな"っていう感じで、ちょっと熱くなっちゃいましたね」
――選手からはどんな言葉をかけられましたか?
「最初に自分自身が泣いているのがわからなくて。勝手に(涙が)出てきた、みたいな...なので"なんで泣いているんですかね?"という問いに対して、『辛かったんだろうな』って言ってくれる人もいましたし、『なんで泣いてんだよー!』みたいな冗談まじりで声をかけてくる人もいました。」
――今回のサヨナラ打からは少し離れた質問です。試合前にテンションを上げるためにしていること、ゲン担ぎをしていることはありますか?
「軽くストレッチをするっていうのがあります。怪我をしたくないので、ストレッチをしてほぐしています。試合直前のシートノックが終わった後、本当に直前ぐらいにやってる感じですね」
――休日のリラックス方法や、ハマっていることなどありますか?
「ちょっと前にタピオカを飲んでいたんですけど、すごく緩くなるんですよね。ホワホワ~という気持ちになれるので、美味いところを巡るとかじゃなくて、専門店に行って買って飲む、みたいなことをやっていました。元々買い物をすることがリラックス法だったりしたので、その延長でちょっと"タピオカブーム"が来ちゃったなっていうところがありましたね」
――ホーム・ビジター球場の周りでおすすめのグルメはありますか?
「今年は結構外に出られないことも多かったのですが、牛タンとか肉類は結構食べてきました。札幌にしてもジンギスカンを食べたり...美味しいものを食べて、それが血となって肉となるので、良いパフォーマンスのために美味しいものを食べないと(笑)」
――最後に、ファンの皆さんへ向けて一言お願いいたします
「本当に勝利を信じて、最後まで球場で、テレビで応援してくださっているファンの皆様のために最後の一打を決めることが、応援してくださったおかげでその一打を打てることができたと思います。勝利に直結できる一打をこれからも打てるように頑張っていくので、引き続き応援をよろしくお願いいたします」
※月間スカパー!サヨナラ賞とは
月間を通じて最もインパクトのあるサヨナラ打等を放った選手に贈られる賞として2012年に制定。「試合終了最後の1球まで真剣勝負をお届けするスカパー!」から多くのファンに、プロ野球中継最大の魅力を伝えることができ、それがプロ野球界発展の一助となると考え、本賞へ協賛。
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