12月27日(日)から年明けの1月9日(土)まで、東大阪市花園ラグビー場で開催される「第100回全国高校ラグビー大会」。今年度は第100回の記念大会のため、過去9年の累計出場校数が多かった埼玉、愛知、福岡の出場枠が1つ増え、さらに全国9ブロックに出場枠が振り分けられ、例年の51校より12校多い63校が出場。熱戦の模様は、J SPORTS 1~4で全試合生中継される。現在、神戸製鋼コベルコスティーラーズに所属し、2019年のワールドカップに全試合出場した山中亮平が、東海大仰星高(大阪)時代の思い出や、今大会の注目ポイントなどについて語った。
――2005年度の2年生時に花園へ初出場しましたが、何を感じられましたか?
「まず高校に入って、中学とはこんなにレベルが違うのかと驚きました。仰星のラグビーを覚えるのに必死でしたね。少しずつ経験を積み重ねて、2年の時に花園へ出場し、準決勝まで進みました。全試合ベンチスタートのリザーブだったんですけど、リードしている状態で試合に出られたので、思う存分に自分のプレーをしようと思いました。ただ、敗れた準決勝の伏見工業高(京都)戦だけは出場機会がなくて、どうして出してくれないんだと悔しかったのを覚えています」
――2006年度の大会では見事に優勝を果たしましたね。
「3年間、花園制覇のためだけにやってきたので、優勝した瞬間は最高に嬉しかったですね。決勝で対戦した東福岡は、フォワードもバックスも有名な選手がたくさんいて、すごく強かったです。大学、社会人へと続くラグビー人生で、高校の3年間はとても大事なものでした。悔しい思いや、嬉しい経験をしてきて、それが大学、社会人へとつながっていきました。高校3年間ですごく成長できたと思います」
――その2006年度に優勝した東海大仰星は、J SPORTS投票企画で歴代最高チームに選ばれました。
「近年これだけ高校ラグビーが進歩している中で、14年前の僕たちのチームが選ばれているのは素直に嬉しいですね。その頃は自分たちが一番強いと信じて、優勝するのが当たり前なんだという気持ちで大会に臨んでいました。そう思い続けて実際に強くなっていきましたし、高い目標を持ち続けることは大事なんだと思いました」
――第100回を迎える今大会は、どんなところに注目されていますか?
「これまで全国的な強豪校に予選で敗れ、なかなか花園に出場することができなかった高校でも、出場校が増えたおかげで出られるチームもあると思うので、そういうチームに注目してほしいですね。例えば、筑紫(福岡)は東福岡が毎年圧倒的に強いので5年ぶりの出場ですが、全国の舞台でどんな試合を見せてくれるのか楽しみです」
――今大会、優勝を争いそうな注目校は?
「やっぱり母校の東海大仰星に期待しています。最近の高校生はボールをどんどん動かして、みんな上手いですよ。桐蔭学園(神奈川)もボールを動かすので見ていて面白いし、強いと思います。今季はコロナ禍で合宿や練習試合ができなかったチームも多いと思いますが、100回大会を悔いの残らないよう楽しんで、頑張ってほしいと思います」
――山中選手自身のトップリーグは1月に開幕しますが、意気込みをお願いします。
「今季はニュージーランドのボーデン・バレットがサントリーに加わり、スコットランドのグレイグ・レイドローがNTTコミュニケーションズに加入するなど、2019年のワールドカップで活躍した、世界のスーパースター選手が新たにトップリーグでプレーしますから、盛り上がること間違いなしです。自分も神戸製鋼コベルコスティーラーズでしっかりプレーして、優勝に貢献できるよう頑張っていきたいと思います。ぜひ会場に足を運んでいただき、応援のほどよろしくお願いします」
山中亮平(やまなか りょうへい)プロフィール
1988年6月22日生まれ。大阪府枚方市出身。東海大仰星高校(現・東海大大阪仰星高校)で3年時に全国高校大会で優勝し、早稲田大に進学。大学では1、2年時に全国大学選手権連覇を果たした。大学時代から日本代表に選ばれ、卒業後は神戸製鋼コベルコスティーラーズに加入。2019年ワールドカップで全5試合に出場し、日本のベスト8進出に貢献した。身長188㎝、体重98㎏で、現在はフルバックを務める
文=田口裕(エンターバンク)
放送情報
第100回全国高等学校ラグビーフットボール大会
放送日時:2020年12月27日(日)11:30~ほか
チャンネル:J SPORTS 3ほか
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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