日本球界最高の守護神・岩瀬仁紀が伝説を刻んだ、2007年日本シリーズでの「岩瀬の13球」

ペナントレースが開幕し、11月の日本シリーズまで長い戦いが続く日本プロ野球。試合中継はもちろん見逃せないが、日本映画専門チャンネルで放送される「ご当地球団に迫る プロ野球ドキュメンタリーの世界」にも注目だ。なかでも必見は、中日ドラゴンズと北海道日本ハムファイターズが激突した2007年の日本シリーズ第5戦、完全試合を続ける先発・山井大介に代わり、9回のマウンドに上がった岩瀬仁紀が魂を込めて投げた13球を振り返る「岩瀬の13球」。本人や周囲の証言などから、伝説の試合の真相を紐解くドキュメンタリーの主役が岩瀬だ。

■意外にも大学時代は投打二刀流で大活躍

愛知県西尾市出身で、西尾東高校に進んだ岩瀬は、3年時に愛知県予選でノーヒットノーランを達成するも、甲子園出場の夢はかなわなかった。卒業後に進学した愛知大学では1年時から外野手として活躍。リーグ記録まであと1本に迫る通算124安打を放ち、ベストナインを4度受賞するなど、打者として注目を集めていた。3年時からは再び投手も兼任するようになり、投打二刀流を体現。大学卒業後に入社した社会人野球のNTT東海では投手に専念し、新日鉄名古屋の補強選手として都市対抗野球でも好投した。そして、1998年のドラフト会議で中日ドラゴンズを逆指名し、1位の福留孝介(当時日本生命)に続く2位としてプロ入りを果たした。

■前人未到の1002試合登板、407セーブの大記録を樹立

ルーキーイヤーの1999年からリリーフ投手として起用された岩瀬は、勝ちパターンの継投の一角を担ってリーグ優勝に貢献。10勝をあげて最優秀中継ぎ投手賞を受賞した。その後、2000年、2003年にも最優秀中継ぎ投手となり、リーグ屈指のセットアッパーとしての地位を確立していった。そして2004年には落合博満監督からクローザーを任され、2005年には当時の日本最多記録となる46セーブをマーク。その後も右打者の内角に鋭く食い込むスライダーを武器に、計5度のセーブ王に輝いた。2013年には、自らの記録を更新する9年連続30セーブを達成、さらに通算382セーブに到達し佐々木主浩(元横浜ベイスターズ、シアトル・マリナーズ)の記録も更新。最終的に前人未到の1002試合登板、407セーブという偉大な金字塔を打ち立て、2018年に引退した。

■日本シリーズで完全試合を続ける山井に代わって岩瀬が登板

派手なオーバーアクションやガッツポーズなどをすることもなく、任された9回を淡々と抑えてきた岩瀬が、最もシビレたのが、日本ハムと対戦した2007年の日本シリーズ第5戦だ。中日の山井大介、日本ハムのダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)が先発した試合は投手戦となり、8回裏まで中日が1対0でリード。気がつけば山井はヒットどころか1人の走者も許さない完全試合を続けていた。満員の観客のほとんどが日本シリーズ史上初となるパーフェクトゲーム達成の瞬間を待ちわび、山井コールに沸き返った9回表、その"事件"は起こった。ベンチを出た落合監督が審判に交代を告げ、「ピッチャー、山井に代わりまして岩瀬」のアナウンスが流れると、場内は歓声、悲鳴、怒号が渦巻き、ナゴヤドームが揺れた。完全試合を継続中の投手を交代させるという前代未聞の試合の裏側を、「岩瀬の13球」ではドキュメンタリーとして描いている。当事者の岩瀬、山井はもちろん、落合監督、森繁和コーチ、捕手の谷繫元信、そして金子誠ら日本ハムの選手までインタビューし、歴史的な試合の全貌を紐解いていく。完全試合を続ける裏で山井を襲っていたアクシデント、大記録とチームの勝利を天秤にかける首脳陣の苦悩、岩瀬が味わった究極のプレッシャー...。番組では、それらすべてが明かされるのだ。

今シーズンの中日は、岩瀬の精神を受け継いだ投手たちが強力リリーフ陣を形成する。昨年、ともに最優秀中継ぎ投手賞に輝いた祖父江大輔と福敬登、クローザーに定着し21セーブをあげたライデル・マルティネスのトリオ"大福丸"(ダイフクマル)は、リーグトップの安定感だ。10年ぶりのリーグ優勝を目指す中日の公式戦を楽しむためにも、最後に日本一に輝いた伝説の試合の裏側に迫る「岩瀬の13球」を堪能してほしい。

文=田口裕(エンターバンク)

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放送情報

岩瀬の13球
放送日時:2021年4月17日(土)23:40~
※17日(土)21:30~は本作を含む中日ドラゴンズに関連したドキュメンタリー4作とオリジナル番組を一挙放送
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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